超巨人・明の太祖朱元璋 (講談社文庫 さ 45-1)
超巨人・明の太祖朱元璋 (講談社文庫 さ 45-1) / 感想・レビュー
ようはん
堺屋太一氏は朱元璋を信長・秀吉・家康の戦国三英傑の役割を一人で果たした人物と評しているが、その中では良くも悪くも秀吉の成分が強い感じ。粛清に関しては創業からの安定への試行錯誤もあるのかも知れないが、秀次事件を起こした秀吉がまだマシに見えるぐらいに多数の粛清エピソードはドン引きする。少なくとも他の時代に生まれ変わるとしても朱元璋時代に生まれて官僚にはなりたくはない。
2019/11/19
中島直人
作者が共産党という検閲権力装置の影に怯えながら書いた朱元璋の姿。イマイチ歯切れの悪さ、論旨の不徹底を感じてしまう。その描き方に作者の緊張感を見た気がする。
2013/07/10
TiawPai
朱元璋について史実を淡々と記述したような印象が強い。貧農に生まれて、僧侶になって飢えをしのぎ、農民起義の指導者、地主階級の首脳、あらゆる地位と立場に対応できる万能の能力を持っていたと最高の賛辞をしているが、本書に書いてある朱元璋の特徴は端的に規律重視と一君万民であろうか。ただ、建国の重臣で天寿を全うしたのは一人だけという事実は、世界史でも見つけるのは難しそうである。中国史の勉強にはいい本と思う。
2018/01/28
Mas Okada
朱元璋は、信長、秀吉、家康の要素を全て持っていたといってよい。中国という国は、それを生み出すほどの巨大なパワーを持っている、ということか。そんなすごい彼に目をつけた、堺屋太一の目の付け所はやはりシャープ。あと、原著者が、あの呉ガンというのもまた興味深い。呉ガンが書いた「海瑞罷官」が、あの文化大革命の引き金となったのだから。
2017/01/19
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