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愛と幻想のファシズム(上) (講談社文庫 む 3-10)

愛と幻想のファシズム(上) (講談社文庫 む 3-10)

愛と幻想のファシズム(上) (講談社文庫 む 3-10)

作家
村上龍
出版社
講談社
発売日
1990-08-03
ISBN
9784061847392
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愛と幻想のファシズム(上) (講談社文庫 む 3-10) / 感想・レビュー

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優希

既成の価値観の破壊と新たな世界の創造を目指す世界が恐ろしかったです。激動の時代、経済恐慌へと流れゆく中で見え始める日本の危機。そこに立ち上がるファシズム。閉塞感のある世界の中では、誰しもが新たな動きへと導くカリスマ的存在に率いられるものだと思わされました。政治経済をかつてないスケールで描いた本著は様々な意味において凄い作品だといえるでしょう。下巻も読みます。

2017/05/08

優希

再読です。激動の時代、経済恐慌が訪れる世界は、既成観念の崩壊にも通じるように思えて鳥肌が立ちました。閉塞感のある世界の中、カリスマサイバリストを主導者とする政治結社が生まれ、ファシストと呼ばれる集団の登場は危機感すら感じさせられます。政治小説として衝撃を与えたであろう作品であることに改めて気付かされました。下巻も読みます。

2018/06/07

metoo

二人は出会ってしまった。トウジとゼロ。アラスカで死のうとしていたゼロとそこで狩猟をしていたトウジ。一人でハンティングするトウジに強いカリスマ性を見出し「狩猟社」を立ち上げるゼロ。時代は1990年、混沌とし、強い指導者を求める気運が高まっていた。「ファシズムはそんなに悪いものじゃない」「僕が切り捨てるのではない、生態系が切り捨てるんです」「適者生存がどのようなレベルであれ、正しいということです」トウジは何を淘汰するのか。ゼロは絶望から這い上がれるのか。怒涛の下巻へ。

2016/06/03

at-sushi@ナートゥをご存知か?

世界的な不況で混乱する社会情勢の中、弱者を切り捨てる「適者生存」をモットーとするハンター・トウジが、強力なカリスマ性で独裁政権を目指すという、デストロイモードの村上龍の破壊力全開の激ヤバ小説。 学生時代、影響受けまくった作品だが、記者会見で左系マスコミやエコロジストを圧倒するくだりは今読んでも痛烈。 このご時世に頭の良いトランプみたいのが出て来たら、案外皆簡単に靡いちゃうのかもね。

2020/12/12

キク

当時、経産省次官(だったと思う)が「経済と政治がきちんと書かれ、大人の男でも読める小説」と絶賛していた。ハンターである鈴原冬ニをカリスマとする政治結社「狩猟社」に、日本を代表する学者、官僚、テロリストが集結していく。トウジはいう「生態系から外れた、自分だけでは生きていけない弱い奴が多すぎる。殺すべきだ」「子供の頃に殺されなかった運、病気に打ち勝つ体、殺し合いに生き残る力、その三つがなければ弱者だ」本来の僕だったら警戒する発言だ。でもトウジがあまりに魅力的すぎて、その欲望の行く末を見届けたいと思ってしまう

2022/08/14

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