中国の歴史(一) (講談社文庫 ち 1-27 中国歴史シリーズ)
中国の歴史(一) (講談社文庫 ち 1-27 中国歴史シリーズ) / 感想・レビュー
Tai
氏族共同体で分配をしていたユートピア時代「大同」が儒教や改革者が目指す理想の姿/時を授ける堯、親に孝、賢人を登用する舜、治水の禹。天地人/創業期、躍動している集団は伊尹や太公望のように身分の低い者でも才能を発揮する機会が与えられる/殷は精神面を神に委ね、周はより人間的に。太公望は大凶の亀甲も踏んづける/殷の国号「商」殷の遺民は公益を始める。商業。商人/周10代厲王が逃亡し帝王不在の14年、周公と召公、二人の宰相が共に和して政治をした。「共和」/与えることが取ることであると知るのが、政治の宝である。「老子」
2022/07/04
彬
まったくの無知の状態で読んだ。歴史関係の解説書は下手なものにあたると出来事を羅列した無味乾燥な文章を読む羽目になるがこの本にそんな心配をする必要はない。中国の神話から始まり春秋戦国時代までを扱っている。それだけでなく、神話形成、古代中国の生活、思想と扱い、現代から見れば承知しかねる考え方もきちんと解説してくれているので引っかかることも飽きることもない。そしてなにより、面白い。もちろんこういう本につき物の筆者の思想も混じっているだろうが、初めて手に取る中国史の本としては迷わずおすすめできる。
2013/01/24
Akihiro Nishio
小説十八史略を読みながら本シリーズもあわせて読むことにした。あわせて13巻の長編突入である。これだけの長編は「ローマ人の物語」以来か?さて、先に十八史略を読んでいるので、本書の内容はスムーズに頭に入ってくる。自分のように中国史を読むのが初めての人間には、この順番が良いだろう。周王朝が以降の中国の原型となり、それが日本にも影響を及ぼしていることが良くわかる。明治時代に作られた公侯伯子男の爵位が、まさか周王朝に由来しているとは驚いた。
2016/02/06
やす
キングダムの理解を進めたくてキンドルセールの機会に読む。巻末年表ではBC1751殷の始りからBC473呉(昔の)滅亡まで。しかも殷の前の夏から話は始まる。神話から始まって1000年以上の歴史の話なので吉川、酒見三国志を読むような楽しさはなくあらすじ紹介的なものにならざるを得ないが、それでもえぐい話が続々現れる。美人が出てきて国を亡ぼす逸話はいつも繰り返される。中国には中国の民主主義があるというが、この「民」という字の横棒は足枷であり民とは奴隷のことだと書いてあった。(所説あるようですが)
2021/12/18
白義
神話から歴史へ、中国の黎明を優しく伸びやかな文章で余すとこなく語っている。このシリーズは、いまだに初学者にとって同著者の小説十八史略と並ぶ最高峰の中国史入門かつ通史だと思う。神話から殷周、そして春秋戦国時代へと、鮮やかに移り変わる中国古代史が一人一人の人物まで具体的イメージを伴って現れてくる。著者独自の解釈も箸休めにぴったりでたすけになるだろう。今回はあまり詳しくなかった中国神話、及び呉越両国が春秋から戦国への移り変わりでいかに重要だったのかを理解した。分厚くて話が多いのがいいね
2012/12/26
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