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Vの悲劇 (講談社文庫 あ 4-18)

Vの悲劇 (講談社文庫 あ 4-18)

Vの悲劇 (講談社文庫 あ 4-18)

作家
阿刀田高
出版社
講談社
発売日
1992-06-01
ISBN
9784061851665
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Vの悲劇 (講談社文庫 あ 4-18) / 感想・レビュー

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優希

本格推理小説と銘打っていますが、殺人事件も物語自体も血なまぐささはありません。スケッチ旅行と偽って親友の夫と逢瀬を重ねる安津子が見つけた彼の死体。漂うのはヴォラージュの香水の香り。甦るのは幼い日の記憶というのがミステリアスな雰囲気を漂わせます。しかし、一般的な推理小説とは一線を画し、著者ならではの色彩に染め上げていると思います。香りを軸に、隠さなければならない恋、女性心理を描こうとした推理小説なのではないでしょうか。短編の名手と言われながらも、長編でもその個性を失っていないのは個性の力ならではでしょう。

2015/04/11

takaC

血なまぐさくない殺人事件。血なまぐさくない推理小説。古今東西の本格推理を読み漁った身にはある意味新鮮。

2014/05/18

優希

本格長編推理小説と謳っていますが、殺人も血の匂いもしないものでした。スケッチ旅行と偽り、親友の夫と逢瀬を重ねる安津子が見つけた彼の死体。ヴィオラージュの微かな香りと共に幼い日の記憶が蘇る。一般的な殺人事件とは一線を画し、著者ならではの色彩が見えるようでした。香りで隠さなければならない恋、女性心理を描こうとしたのでしょうね。短編の名手と言われる著者ですが、長編も個性があって面白かったです。

2021/05/02

KAZOO

殺人事件が起こるのですが、そんなに残酷ではなくどちらかというと、この主人公の心理がどのように動いているのかが描かれています。一種の推理小説なのでしょうが、よくあるそのようなものとは異なります。どちらかというと私のよく読んでいる連城さんの分野に近い小説のような気がしました。

2015/05/15

MIKETOM

阿刀田の初の長編ミステリーとのこと(短編は多数)。不倫中の人妻が密会現場に行くと不倫相手が他殺死体になっていた。慌てて逃げかえる人妻。そして彼女なりに犯人探しを行い…。匂いがキーポイントになっている。匂いというのはすぐに消えてしまうから犯行直後でなければ嗅ぐことができない。遠い過去に嗅いだ記憶が微かにあって…。そんなストーリー。ストーリーのかなりの部分が彼女の内心の声(モノローグ)主体になっているのが特徴的。ミステリーというよりも不倫する人妻の心理描写に重きをおいた作品。阿刀田らしいといえば言えるかも。

2017/10/23

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