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テニスボーイ・アラウンド・ザ・ワールド (講談社文庫 む 3-15)

テニスボーイ・アラウンド・ザ・ワールド (講談社文庫 む 3-15)

テニスボーイ・アラウンド・ザ・ワールド (講談社文庫 む 3-15)

作家
村上龍
出版社
講談社
発売日
1992-06-01
ISBN
9784061851788
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テニスボーイ・アラウンド・ザ・ワールド (講談社文庫 む 3-15) / 感想・レビュー

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めしいらず

10代の頃からもう何度目だかわからないくらい読み返し影響を受けた1冊。テニスシーンがスター選手らで賑わい最も華やかだった80年代。数々のビッグトーナメントを巡った著者のテニス観戦記。時代の空気の切り取り方が生き生きとしている。テニス選手の個性や試合の流れを読む目も確か。いくつか予言的な発言があり、それがほぼ当たっているのに驚く。ただバブル期の浮かれ日本人っぽさも無くはない。「人はそのテニス以上の人格を持つことはできない」。行動はその人の人格を表す。一事が万事だ。テニス好きにはバイブルとなり得る大名著。

2019/11/08

めしいらず

テニスファンである著者の、1985〜87年に亘る世界ツアー観戦記。試合の流れを読む目や、選手のプレースタイルから人格までも掘り下げる深い考察が見事。破天荒なプレーで知られるルコントへの偏愛が迸っている。政治的干渉の強いチェコから「二度と戻れぬ」覚悟でアメリカに亡命したナブラチロワが、国別対抗戦で母国に凱旋した章が素晴らしい。チェコの選手マンドリコワが開会式で「マルチナ、お帰りなさい」と挨拶。その瞬間会場を包んだ温かい拍手と歓声の渦の中、泣き出すナブラチロワ。彼女の内面に寄り添い讃える著者の目も優しい。

2013/05/20

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