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広重殺人事件 (講談社文庫 た 43-11)

広重殺人事件 (講談社文庫 た 43-11)

広重殺人事件 (講談社文庫 た 43-11)

作家
高橋克彦
出版社
講談社
発売日
1992-07-01
ISBN
9784061851917
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広重殺人事件 (講談社文庫 た 43-11) / 感想・レビュー

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セウテス

浮世絵三部作第3弾。この三部作は、正に三作品を読んで完結する。本作も天童広重は、暗殺されたのかという本題の謎解きをベースに、現代の事件を追う。しかしその事件とは、本シリーズの主人公津田と妻の冴子の死である。此処に来て、三大浮世絵師の謎を推理する歴史ミステリーである筈の三部作が、浮世絵界の研究方法も確立せずに、曖昧な評価が横行している問題に対する苦言である事か分かる。そしてその狭間で苦悩した研究者夫婦の、愛情や浮世絵への思いを描いたものだ。亡くなった津田夫婦の意思を継いだ、塔馬の厚い友情も胸に残るだろう。

2016/07/11

kagetrasama-aoi(葵・橘)

「浮世絵三部作」第三作目、そして完結。広重の死因についての謎と贋作の二本立てのストーリィ展開でした。広重の死んだ頃があまり興味が持てない時代なので、資料を読むのが結構辛かったです。でも贋作については見事な謎解きでした。前作から探偵役が搭馬双太郎に移行しています、いかにも名探偵の呼称が似合います。津田良平・冴子夫妻については涙涙です。歴史ミステリとしても、夫婦の愛の物語としても読み応えのある三部作でした。番外編的な「ゴッホ殺人事件」は再読しようか悩み中です。

2021/11/19

うえぴー

三部作最終作。今回の謎は安藤広重。シリーズを最初から読んでいる人には衝撃の展開が2度もあって、感情を揺さぶられまくりでした。肝心の広重の謎も面白く、三部作に共通していることだけれど、絵師の謎を解くことは、その絵師が生きた「時代」をまるごと理解することなのだということを痛感させられた。いままで、何となく好きだった浮世絵が、積極的に好きになれた気がする。前作から登場する塔馬双太郎が、いろんな作品にスピンオフしているので、これからも著作を追いかけよう。【注意】裏表紙の内容説明、巻末の解説は絶対読んじゃダメです!

2015/01/22

あちこ

切ない終わりだった。津田の迎えた結末がただただ辛い……。今回は特に殺人事件は起きず。が、テーマが「広重は暗殺されたのではないか」というもの。前作、前々作に比べると資料や歴史的な話が多く、全く知識のない部分だったのでそこはやや読み疲れがした。絵と絵日記の謎解きについては面白かった! 浮世絵シリーズは、3作通して順番に読むのをお勧め。本シリーズに出てきた塔馬が主役のミステリもあるみたいなので、そっちを今度読んでみよう。

2018/02/20

MIKETOM

写楽、北斎に続きシリーズ第三弾&シリーズ最終巻。前二巻で主人公を務め好感度の高いキャラの連続の不幸にはちょっと涙ぐむほど。本書の一番の見どころはそこかもしれない。広重の死因は何か。資料にはコレラとなっているが実際には殺されたのか!? てな謎は、研究者などにとっては大問題なのかもしれないが一般人にとってはどうでもいいことかな。それほど面白いものではなかった。ただ、業界でも悪名高い詐欺師の詐欺行為を推理によって未然に防ぐ部分は高橋作品の真骨頂でありそこは面白かったかな。高橋の浮世絵シリーズはどれもみな好き。

2021/11/22

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