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四千万歩の男(五) (講談社文庫 い 2-18)

四千万歩の男(五) (講談社文庫 い 2-18)

四千万歩の男(五) (講談社文庫 い 2-18)

作家
井上ひさし
武蔵野次郎
出版社
講談社
発売日
1993-03-03
ISBN
9784061853409
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四千万歩の男(五) (講談社文庫 い 2-18) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

既に読友の方々のご指摘にもあるように、本書は忠敬の事績の7分の1を終えたところで頓挫してしまった。「お読みいただいた後に」によれば作者の「個人的な事情」であるらしい。そして、「やがてそのうちにこの小説をふたたび書き継ぐ」といいながら果たされなかった。でも、許す。そもそもが、遅ればせながら井上ひさし追悼の気持ちで読み始めたのだから。「伊能図は開国を予告していた」のは、まさにその通りだろう。長い江戸時代も末期にはその崩壊の予兆と新時代を予告するものは多々あった。伊能忠敬の意味はまさしくその一つだったのだろう。

2012/08/26

NAO

伊豆に向かう伊能忠敬一行の前に現れたのは、まだうら若き青年の二宮金次郎。百姓のことを本気で憂う金次郎の思考はなんとも近代的だ。ひたすら本を読むだけの堅物のように思っていた金次郎の思いの深さに胸を打たれる。金次郎や韮山代官山所の江川英毅のような、合理的、近代的な考え方のできるすぐれた人物もいるのに、江奈村での鰹節騒動や天文方土御門家の日蝕詐欺など自分のことしか考えない者たちもいる。時代の変換期、旧時代の人々と新時代の人々を冷静に見つめる忠敬は、もちろん新時代の代表者といえる。

2019/12/30

てつ

伊能忠敬の足跡をたどった小説。長い。きちんと調べて書かれているのだろうが、結局日記をもとにした、連作。小説なので、そう思って読めば面白い。それにしても時間がかかった。

2017/09/16

明るい♂

やっと読み終えた。 長かった。。 が、めちゃくちゃ未完。 この終わりかたはないわ~(笑) お栄にも再開してないし、夢太郎の話がこれから展開していく所での終わりって。 伏線張りっぱなしで回収せず。 ま、何はともあれ完読できて良かったかな。 忠敬の時代はまだ人生50年かな。 現代日本はそろそろ人生100年時代に突入してるらしい。 「一身にしてニ生を経る」著者の言うとおり、伊能忠敬の生き方は多くの現代人の参考になると思う。 全5巻で構想の7分の1。 完結まで書いて欲しかったなぁ。 井上先生の冥福を祈る。

2017/11/19

はーごん

ずっと同じリズムで進むので、途中でペースダウンしてしまいましたが、読み切ってよかったです。未完のまま作者が亡くなってしまったのが少し残念ですが、漫画でよくある「彼らの冒険はまだまだ続く」的な感じで、これはこれで満足です。当時の知識人たちは、開国すると知っていたのでしょうね。今の衛星写真とさほど狂いのない地図が書けていましたよと伝えたい。それにしても、20年前の中古本は字が小さくて読みにくかった……。

2015/06/20

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