毒薬の輪舞 (講談社文庫 あ 22-6)
毒薬の輪舞 (講談社文庫 あ 22-6) / 感想・レビュー
🐾Yoko Omoto🐾
「泡坂作品」のコメディともギャグとも何かちょっと違うこの軽めのノリに潜む、何やら懐かしい既視感の正体をずっと考えていて、それはまさに「天才バカボン」の世界観なのだ!!(あくまで個人的見解です(笑))と気付く。主人公の「海方刑事」のキャラなどはまさに「バカボンのパパ」の天才と馬鹿は紙一重のノリ。精神病棟が舞台でありながら陰鬱な空気感は皆無で、患者たちの病状がキャラ立てに面白く作用している。大掛かりなトリックはないがラストの謎解きの連打は軽妙で意外性の点でも◎。泡坂作品は肩の力を抜いて軽妙な筆致を楽しむべし。
2014/06/18
Yu。
虚言者 夢遊病 露出狂 潔癖症 拒食症‥と一癖も二癖もある者達が集う精神科病棟で起こる毒 毒 毒な難事件に海方&小湊コンビが挑む著者お得意の変わり種ミステリ。。さすが変幻自在のマジシャンだけあって、いつの間にか白が黒に変えられているような驚きや愉しさを味わわせてくれます(*´ ﹀ `*)
2018/06/29
kagetrasama-aoi(葵・橘)
海方&小湊の第二作目。舞台は精神病院、海方は佯狂(贋の狂人のことだそうです。この小説で初めて出会った言葉です。)に扮して入院。小湊も同伴させられてます(笑)。医者も看護婦も入院患者の一人一人もそれぞれ凝った設定で、最後の最後まで色々と振り回されながら読みきりました。トリックは手品で騙された気分です。新宿のせきれい堂(美術品を扱うお店)の名前が出て来て、泡坂氏の作品世界のリンクが嬉しくなりました。三作目が書かれなかったのが残念です。
2020/08/10
おうつき
精神病棟に毒殺と、どうやったって重くなってしまいそうな題材の作品をここまで軽妙かつユーモラスに描くことができるのは流石泡坂妻夫といった所。残念ながら好みの作品ではなかったが、後半の意表をついた展開はなかなか楽しかった。
2020/02/05
真理そら
『死者の輪舞』では小汚いポワロのような雰囲気だった海方がこの作品では口達者なモンク風に感じるのは舞台が精神病棟だからなのかもしれない。でも本人は銭形平次気分だとは…呆れるw虚実取り混ぜた毒薬が次々出てきてクラクラしながら読み進んだ。途中で設定が逆転しそうな場面もあって泡坂作品らしい心地よさを感じながら読み終えた。死体は一個しか登場しない。
2019/03/30
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