三階の魔女 (講談社文庫 や 27-6)
三階の魔女 (講談社文庫 や 27-6) / 感想・レビュー
mr.lupin
山崎洋子さん初読み。この作品読んでいる人も少なくまた表紙絵もなく、何の予備知識も一切なく手に取ったが大正解の作品だった。七編からなる短編集だったが、どの作品も シュールでミステリアスで、そしてスリリングな作品ばかりだった。最後にゾワゾワとくる感覚がたまらなかった。特にお気に入りは「ラブレター」と「人形と暮らす女」「狼女は眠れない」の三作。何だか久し振りに自分好みの本に出会えたな。山崎洋子さんの他の作品もぜひ読んでみたい。☆☆☆☆☆
2021/03/12
rakim
これはもう日常ホラー、と呼べるような短編集。細かいディテールが計算されていて、作者さんの意図通りに心がざわつきます。背景の香りはとても昭和っぽいけれど(20年以上前の作品だった)、古くない人間の怖さの基本的な感覚。山崎さんの本、もう少し読んでみよう・・。
2014/12/02
はんげつ
アンソロで読んだ「三階の魔女」が気に入って手にとった一冊。ぐいぐい読ませるサスペンス性と、水面下に隠れていた真相が顔を出す意外性。ああ、これこそが短篇ミステリを読む喜び! 一等はさすがに表題作に譲りますが、非常に平均値の高い短篇集だと思います。傑作「三階の魔女」に加えて、誘拐事件の加害者と被害者の間に存在していた構図に胸を打たれる「狼女は眠れない」、人形を赤ちゃんと思い込む女にベビーシッターとして雇われた主人公の恐怖譚「人形と暮らす女」の三作が個人的ベスト3。
2020/01/28
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