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深川澪通り木戸番小屋 (講談社文庫 き 26-1)

深川澪通り木戸番小屋 (講談社文庫 き 26-1)

深川澪通り木戸番小屋 (講談社文庫 き 26-1)

作家
北原亞以子
出版社
講談社
発売日
1993-09-03
ISBN
9784061854840
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深川澪通り木戸番小屋 (講談社文庫 き 26-1) / 感想・レビュー

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shizuka

読みたい本を探しているとき急に呼吸が合った。わたしとこの本と。下町長屋に暮らしながらも、そこはかとなく上品な雰囲気を醸し出している笑兵衛とお捨夫婦。訳ありだからこの番小屋に流れ着いた二人なんだけど、不思議とほんわかとして幸せな空気が流れている。貧乏や暴力ややるせなさをかかえて暮らす他の住人にもその優しさは伝播し、困惑や涙がいつの間にか消え希望が見えるそんなお話が満載。特にお捨がね、懐深くてね。そんな嫁、裏切ることできないよね、笑兵衛。わかるわかる。さあ、長いシリーズの幕開けだ。昂揚感はんぱない!読むぞぉ!

2016/10/26

えみ

その木戸番小屋夫婦の心遣い、ちょっとお節介、でも優しさに溢れている気遣い…に今の世の中に最も必要な人というのはこんな方たちなのかもしれない。そう思わずにはいられない、人情味溢れる時代小説だった。懸命に生きる市井の人々の暮らしにそっと寄り添って手を貸してくれ、時に知恵をも貸してくれる。損得関係なしで行動できる奇特者夫婦の周りで起こった細やかな出来事を集めた8話収録の連作短編集。どの話も読んだ後に素直に良かったと思える。忙しい毎日を送りながら孤独を感じている方にお薦めしたい一冊。大丈夫、何とかなる。頑張れる!

2023/10/14

k5

初夏の時代小説フェア⑧。文章の格調高さはこのジャンルでは群を抜いていると思います。でも話はちょっと暗いですよね。女掏摸の話がけっこう良かったけど、それ以外は救われない感じで、昔の女性の苦しみがかなりダイレクトに描かれてます。『梅雨の晴れ間』とか水滸伝なら魯智深がぶっ殺してくれるのになあ、と思ってしまいました。

2022/06/20

ぶんこ

なんとシリーズ物読破最後になって1〜2巻が手元に届きました。 お捨さんと笑兵衛さんの夫婦になった経緯から、5歳の女の子がいて病死していた事、笑兵衛さんの意外な一面もあったりと、面白かったです。 はっきりとした年齢もわかりましたね。 お捨さんが笑兵衛さんと激しい喧嘩をする事もあったのだと。 精神的に辛く、お腹を空かせてひもじい日々をおくっての、今の優しい夫婦になったとは、改めて感嘆しました。 今で言うなら「ダメオヤジ」と言われる生活力の無い、優しすぎる笑兵衛さんでした。 お捨さんは偉い。

2015/06/04

ふう

久しぶりに本の整理をしたら、何冊か行方不明に。そして何冊か同じタイトルの本が…。この本も見当たらなかったのですが、(多分妹のところ、もう戻ってこないだろうな)と思い、新しく購入しました。全シリーズを読んで再読すると、普段の二人からは想像できない過去の出来事が語られ、笑兵衛のちょっと生々しい面も描かれていて、そこを乗り越えてきたからこその優しさなんだと改めて二人が好きになりました。人々の暮らしにあるのはたくさんの哀しさとほんのわずかな喜び。そのわずかな喜びを大切にして、人を信じ、明日を信じて生きていきます。

2013/10/20

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