飢餓旅行 (講談社文庫 あ 26-3)
飢餓旅行 (講談社文庫 あ 26-3) / 感想・レビュー
ブラックジャケット
不世出の作詞家阿久悠、小説もかなり書いているのだが、「瀬戸内少年野球団」が突出して有名で、他はイマイチか。それでも本作は自伝的要素が入った好著だった。終戦直後、淡路島で駐在をしている恩田幸吉とふじの一家に、戦死した長男の遺骨が戻って来た。頑固一徹の幸吉は、故郷の宮崎の寺に納骨をすることを決めた。終戦から半年後の混乱する交通機関だが、一家五人は納骨の旅を始める。遺骨を持つのは三男の圭太。次兄の恋愛あり、遺骨の謎あり、ロードノベルにして、終戦直後の生き生きとした群像劇となった。ちょっと堅い題名で損したか。
2023/09/20
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