ボクの手塚治虫 (講談社文庫 や 23-4)
ボクの手塚治虫 (講談社文庫 や 23-4) / 感想・レビュー
lonesome
自分は戦後の漫画史について詳しくなかったけれど、タカオ少年の目を通して手塚治虫とは当時の人々にとってそういう存在だったのかと理解できた。手塚治虫のマンガに魅せられたタカオ少年が、影響され夜空に興味を持ったり、新しい手塚作品を読みたいと懸命に働いたお金を握りしめ本屋に行って心踊らせページを開く姿に感動を覚えた。手塚治虫しかりタカオ少年しかり、マンガへの熱い気持ちが誠実な人柄を作ったんだなと思う。タカオ少年が溌剌としていて、熱い情熱を持ち続け夢を叶えて、とても素晴らしいマンガだった。
2015/06/24
goro@80.7
秋田の山深い農村の少年だった矢口高雄氏が出逢った衝撃の手塚治虫体験記。戦前戦後の農村の暮らしとともに自身の伝記ともなって感動もの。手塚治虫が居たからこれだけ後から続くものが表れた。亡くなって30年近くになるけど色褪せない作品群。自身が描いた猿田彦のようにまたいつの日かどこかで転生してくるのではないかと思うわ。
2017/11/26
アイアイ
あば(お母さん)に読み聞かせてもらった西遊記。まるで画面から飛び出したような手塚作品との出会い。大人になっても潰える事が無かった漫画家への熱い想いの原点となった少年時代を描いた名作。百姓にはならねぇ!と誓った母が死にかけた事件。「役に立たねえ」と吐き捨てた祖父が鬼だ。どんなに忙しくても子供たちに手書きの絵葉書の返事を送っていた漫画の神様手塚治虫・・そこに並ぶ漫画家となった矢口高雄先生凄い。▽図書館
2015/07/05
akihiko810/アカウント移行中
「釣りキチ三平」の矢口高雄先生が少年時代、秋田の農村で手塚マンガに出会ったときの衝撃を綴った自伝漫画。印象度A 矢口少年は、農村という当時は学のない地域にありながら、母が読書家だったので漫画を買い与えてもらうことができたらしい。小学3年生で手塚「流線型事件」を読み、手塚漫画の虜に。以来、杉皮背負いのバイトをしてそのお金で漫画を買う。雪国の辛い労働と、漫画を読める幸せが本作には綴られている。一念発起して漫画家になり、「釣りキチ」で講談社漫画賞を手塚直々にもらい、そして手塚の訃報…。矢口先生のまんが道は(続
2021/04/27
くさてる
追悼。戦後すぐ、雪深い秋田の農村で生まれ育った少年が出会った手塚治虫のマンガ。それに惹かれて夢中になっていく矢口少年の成長と農村の生活、文化の描かれ方と、矢口先生のペンで描かれる手塚漫画のキャラクターの美しさと楽しさ、どの要素も面白く、楽しかったです。漫画力ハンパない。手塚先生の矢口先生への言葉「きみの絵はデッサン力も素晴らしいけど……実に美しくて上品だ」というのはまさにまさに!という感じでした。良かったです。
2020/12/12
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