暗闇坂の人喰いの木 (講談社文庫 し 26-12)
暗闇坂の人喰いの木 (講談社文庫 し 26-12) / 感想・レビュー
W-G
去年再読。御手洗シリーズの中でもかなり好きな作品です。昔はなるほど!と驚いたトリックもネットで色々な人のレビューを見る事が出来る今の時代では、その無茶加減が良く分かってしまい、少し切ない。特に巨人の家のトリックはお気に入りだったので、あるレビューを読んで悲しい気持ちになった。。色々なエピソードが順不同で列挙されるスタイルはこの作品からだったと思いますが。昭和20年の涼一郎君のエピソードがその後説明無しなのが気になる。御手洗シリーズの中でも猟奇性や古きよき日本の本格の風味が良いバランスで同居している良作。
Tetchy
まず題名からして横溝正史へのオマージュという感じだし、ジェイムズ・ペインの地下室は明らかに乱歩のエログロ趣味を意識したもの。この作品を以ってして島田は本格の巨匠として名を残すことに挑戦したのか?そうだとすればこの一作が未来永劫読み継がれていく名作だとは思わないが、面白かったのは事実。しかしメインのトリックが大掛かりであればあるほど、陳腐な印象を受けるのが現代の本格である。
2009/02/21
勇波
「斜め屋敷」さながらの力技トリックで展開する御手洗ワールド。賛否あると思うけど、御手洗物はこーでないと!島田先生の圧倒的な文章で細かい事は気にならない。そしてレオナさん登場!次は「水晶のピラミッド」へ乗り込みますよ★
2014/07/13
Ame
むちゃくちゃ怖かった。オカルト的要素がふんだんにあしらわれていて、なんとも非科学的なことを真面目くさって語っているなと頭ではわかっていても「暗闇坂」や「人喰いの木」のおどろおどろしい雰囲気に圧倒されてしまい、もしかして今回はミステリーではなくホラーなんじゃないかと途中から割と本気で考えた。トリックについては力技のように感じたけれど、読み終わった後の満足感は期待以上のもの。視覚的な文章のおかげでだいぶ読み易く、頁数は全く気にならなかった。このシリーズを追えば追う程、御手洗潔という男のことがわからなくなる。
2016/12/20
chiru
御手洗シリーズでは6作目。 長編だけど、読み始めたら夢中になりました。 スコットランドの少女誘拐事件、昭和初期の少女殺人事件、藤並家連続殺人事件…事件をつなぐミッシングパーツは大楠か、スコットランドにいるペインか…。 オカルト要素を裏付ける歴史的考証が怖すぎ…。 事件の真相を明らかにしなかった理由があとで明かされるんだけど、御手洗さんの優しさに胸が暖かくなって、怖いけど我慢して読んで良かったなって思いました。 ★4
2018/05/16
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