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炎立つ 壱 北の埋み火 (講談社文庫 た 43-17)

炎立つ 壱 北の埋み火 (講談社文庫 た 43-17)

炎立つ 壱 北の埋み火 (講談社文庫 た 43-17)

作家
高橋克彦
出版社
講談社
発売日
1995-09-06
ISBN
9784061857636
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炎立つ 壱 北の埋み火 (講談社文庫 た 43-17) / 感想・レビュー

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とん大西

大河で渡辺謙が迫真の演技をしていたのは25、6年前か。百数十年にわたる奥州藤原氏の栄枯盛衰。舞台は厳しい雪原が覆う陸奥、時は平安末期。永らく「俘囚」と蔑まれてきた安倍氏が一大勢力として台頭してくる。その力の源泉は「黄金」。我欲の為に安倍に無理を強いる陸奥守登任(コイツがほんと嫌なやつ)。息を殺す安倍。大義はどちらにあるのか、武人の正義はどこにあるのか。朝廷の一地方官として揺れ動く藤原経清。彼こそが後の奥州の覇王藤原氏の祖であり、期せずして大乱の主役となる清廉な武人であった。スケールのデカさに読応え大。

2019/05/05

アルピニア

全五巻の第一巻。物語は永承4年(1049年)の冬から始まる。都では藤原頼通が関白として政を牛耳っていた頃、陸奥で起きた「前九年の役」が舞台。この巻は、最初の衝突となった「鬼切部の戦い」まで。経清、貞任、永衡、頼義など主要人物の運命的な出会いが描かれる。俘囚と蔑まれながらも絶大な力を持つ豪族安部氏、身を潜めて生きる物部氏、機を窺う源平の武士たち、保身と蓄財に腐心する国守・・。それぞれの人物の性格が細やかに書き分けられていて、軍議の場面では口調まではっきりと聴こえるような気がした。特に永衡の去就に惹かれた。

2021/01/12

カレイ.シュウ

アテルイと田村麻呂の時代から250年後、平安中期の陸奥で財と武力を蓄えていく安倍一族と、その富を狙う陸奥守、武芸の達人経清や、戦略で頭角を現す貞任等まだ序盤ですが、展開はワクワクさせられます。無能な上司が暴走する怖さは、不祥事企業小説や旧日本軍の愚行を見ているようです。先は長いですが楽しめそうです。

2019/04/08

さつき

大河ドラマが好きだったので、ずっと読みたいと思っていました。物語は雪の中の船旅から始まります。闇夜に赤々と燃える篝火の情景は幻想的で美しいと同時に、安倍の持つ力を陸奥守にまざまざと見せつける結果になります。叙情的な風景に骨太なストーリーが合わさっていく様はこの先の展開に期待が増します。物語の大枠は覚えていますが、何しろ26年前のドラマ!新しい登場人物が出てくるたびに確かあの人が演じていたなぁと思い出すのも楽しい!跡呂井登場には驚きました。細かな部分は記憶にないのでドキドキしながら次に進みます。

2019/11/09

たいぱぱ

『火怨』がとても面白かったので、『火怨』から250年後の陸奥を描くこちらのシリーズへ。蝦夷は俘囚と呼び名を変わってるし、阿弖流為や母礼など馴染みない名前から安倍など馴染みある名前に変わってる。時代は変われど、権力者たちの思い上がりは変わらない。藤原経清、平永衡などが、どんな男ぶりを魅せるのか楽しみです。この著作の方が古いので仕方ないけど、ふと登場する阿弖流為の生き様が『火怨』と全然違うのがちょっと残念でした。

2018/09/27

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