46番目の密室 (講談社文庫 あ 58-2)
46番目の密室 (講談社文庫 あ 58-2) / 感想・レビュー
Tetchy
本書にはまだ若き頃の有栖川氏の本格ミステリへの理想と夢が随所に込められているようだ。まず真壁聖一の存在。世界に認められた日本本格ミステリの巨匠とは作者の理想の存在に思える。次に真壁氏が書こうと挑むまだ見ぬ「天上の推理小説」。これこそ作者自身の未来への宣言ではないだろうか。そして真壁氏が遺した最後の密室「46番目の密室」。それは作者が望む最後の密室ミステリ。「まるで世界が、世界を守るためによってたかって一人の人間を抹殺するかのようなもの」。そんなミステリに出逢うため、ミステリは読まれ、また書かれ続けていく。
2018/05/04
ダイ@2019.11.2~一時休止
作家アリスその1。学生アリスシリーズとは雰囲気の違う、王道の密室殺人。
2013/10/13
サンダーバード@永遠の若者協会・怪鳥
懐かしい一冊。クリスマスの夜、北軽井沢の別荘で「日本のディクソン・カー」と呼ばれる推理小説作家が殺された。しかも密室の中で。火村助教授と作家有栖コンビの第一作であるが、既に彼ら二人の立ち位置とか、キャラクターがしっかりと設定されていて、今読み直しても、なんの違和感もないことが素晴らしいと思う。初期の作品であるが、有栖川氏の傑作の一つと言っても良いと思う。犯人も驚愕したという幻となった「46番目の密室」のトリック。是非この作品を読みたいものだ。★★★★
2020/11/15
みのゆかパパ@ぼちぼち読んでます
数々の密室トリックを世に出した推理小説家宅で起こった二つの密室殺人事件の謎に、犯罪心理学者・火村と推理小説家・アリスのコンビが挑むミステリー。その真相に驚愕の“密室トリック”が潜んでいたわけではないが、わずかな手がかりをきっかけに、こう考えるよりほかないという一点を論理的に導き出していく感じがきれいに決まり、これぞまさに本格派の醍醐味を存分に味わわせてくれる。世間の評判の高さも納得できる一冊。作中で展開されたミステリー論議も気になるところで、いつか著者による“天上の推理小説”が上梓されることを期待したい。
2014/08/15
nobby
作家アリス第1弾。火村先生とアリスのかもし出す空気感がよい感じ。火村先生は他の探偵さん達の様にもっと癖があるのかと。トリックはなんとなくだったけど、犯人はアリスと全く同じ予想に見事に誘導されてた。なかなか綺麗な伏線回収が心地よい。ただ、他の方も言われているように、登場人物の個性があまりないからか名前がなかなか覚えられなかった…個人的にリアルタイム感じてはまったのは“ゴルビー”(笑)
2014/06/02
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