中国詩人伝 (講談社文庫 ち 1-52 中国歴史シリーズ)
中国詩人伝 (講談社文庫 ち 1-52 中国歴史シリーズ) / 感想・レビュー
ロビン
屈原から魯迅まで、中国古今の27人の詩人の作品と特徴、そして生涯を略述したものと、幾人かの詩人とその時代についてのエッセイがまとめられた本。なかなかその詩が読めない魯迅と、女傑・秋瑾の作品に釣られて手に取ったが、有名な唐・宋時代の詩人だけではなく、ややマイナーな元・明・清時代の詩人も多く取り上げてあり、時代に順応し、あるいは抵抗しながら志を詩に紡いできた詩人たちの人生と作品を時に沈痛な気持ちで、時に勇気を吹き込まれるような気持ちで読んだ。詩について分かりやすく書かれた素晴らしい本。もっと読んでいたかった。
2023/02/03
内藤銀ねず
歴史小説に定評のある著者が残した『ライナーノーツ』。これが文庫で出た時はここに紹介されている詩人たちの作品集は安価なものが少なくて、歯噛みした覚えがあります。 今でこそ岩波文庫の漢詩集が充実してきたので、またぞろこれを引っ張り出してきて大いに参考にします。ここに載ってる詩人の作品集をいつか全部集めてみたい。 でも、昭和の初めくらいまで、日本の学生は漢詩をよく読んでたんですよね。むかしはどうやって作品に触れていたんでしょう?
鴨の入れ首
中国戦国時代から近代中国まで、中国文学史に残る著名詩人27人の生涯と作品の概説書です。中国文学に対する陳舜臣さんの造詣と愛情の深さに、改めて中国文学の豊かさを思い知りました。平易な文章で大変分かりやすく、漢詩の世界に対する興味は尽きませんでした。とても面白かったです。
2024/04/22
nobito
屈原から魯迅までの中国詩人の人となりやエピソードを紹介しつつ、詩を紹介している構成です。最後にそこから漏れた人などを中心に別の切り口で紹介している章もあります。小説家が書いているという事で、エピソードや人となりが簡潔に要領よくまとめられていて興味深く読めました。もちろん漢詩自体の説明も多く割かれていますが、まずは詩人のバックボーンから漢詩の世界に入りたいという考えの人に最適だと思います。また年代ごとに紹介しているという点もあって、漢詩史の流れも大雑把にですが掴めると思います。
中村禎史
中国の詩人を年代順に並べて紹介している。陶淵明、李白、杜甫、陸游など有名どころも興味深いが、あまり知られていない詩人にも興味をそそられた。27歳で夭折した当代の李賀、再婚した妻に対して前妻の名を呼びかけた宋代の梅堯臣などが面白い。巻末に近代の詩人がまとめて紹介されており、おそらく日本でいえば吉田松陰のような存在の、譚嗣同という人にも興味をひかれた。 (健康に気を付けてたくさん読みたい、と思った(笑))
2015/11/20
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