満潮 (講談社文庫 う 32-1)
満潮 (講談社文庫 う 32-1) / 感想・レビュー
Toshi
自殺を考えている50歳過ぎの女性と、母親殺しで追われている青年との偶然の出会い。この小説地味ながら毒多く凄くいいです、傑作。作者は70歳デビューで以来ベストセラー作家、イギリス凄い。
2018/04/30
クボタ
昨年図書館の不要配布本としてもらったもの。長く置きっぱなしにしていたが、九州旅行に持っていく本として読み始めた。ミステリーなのかと思っていたが、夫を亡くし自殺を考えていた女と母親を殺してしまった男がひょんなことで一緒に住み始める話だった。特に盛り上がりもなく終わってしまった感の小説だった。買った本では無いので文句は言えない。
2016/10/15
きうりっち
表面上は夫と4人の子供を持ち、幸せな人生を送っているように見える一人の女性の孤独を見事に描きだしている。夫や飼っていたペットがいなくなったのを潮時に自分を葬り去ろうとして失敗し、偶然出会った殺人犯と同居することになった後、おりおりに浮かぶ過去の出来事を通して彼女がどれほど満たされない思いをしてきたかが本人にも少しずつ分かってくる。一番強い印象を残したのは人間よりも雁のガスで、この鳥の描写が本当に生き生きして愛らしく、その死の場面では涙がにじんだ。動物は人間よりいとしい存在だという言葉が胸をつく。
2015/02/01
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