明日泣く (講談社文庫 い 34-2)
明日泣く (講談社文庫 い 34-2) / 感想・レビュー
阿部義彦
先ず中学時代に雀聖として、「牌の魔術師」「麻雀放浪記」で阿佐田哲也として脳に記録された色川武大さんの小説です。多分もう絶版かも、古書市で見つけました。色川名義では「怪しい来客簿」が本当に面白く夢中で読んだ記憶が有りますが、亡くなる直前まで書いていた短編集で、本人もライフワークにするつもりでいた、脂の乗った男の生きざまを書いた「男の~」シリーズが本当に身に染みる程良かったです。若い時の仲間は結局定職につかず薬(主にヒロポン)に走り、自滅してくのを何度も目にした強かな意志を持った目で書かれた世界は豊穣です。
2024/09/22
もれ
亡くなってから出版された短編集。色川先生には様々なペンネームがあり、色川武大では所謂小説を、阿佐田哲也の名前の下ではギャンブル小説を書かれてます。この本は色川で書かれてますが、収録されている4篇は阿佐田小説を読んでいるよう。時代考証なしの時代劇風娯楽作品。ラノベと古典が混在しているよう。残りの作品群の「明日泣く」や「オールドボーイ」は哀愁あるヒューマンドラマが描かれている。小説家というのは言葉を綴るのが仕事だけれど、色川作品はいつも言葉では言い表されない真に迫る余韻があってそれが一番味わい深い。
2017/01/16
kokada_jnet
11作収録。前半4作の「名無しの恋兵衛」シリーズ、イマイチ。『週刊大衆』という古い娯楽雜誌連載とはいえ、色川名義で、こうも通俗的な小説も書いていたんだね。死後の89年11月に単行本刊行だが、色川武大が死ななければ、封印されていた作品かも。
2014/11/17
町蔵
再読。イネムリ先生
2015/02/25
boa0203
キッコが好き
2016/12/12
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