ガラス張りの誘拐 (講談社文庫 う 23-4)
ガラス張りの誘拐 (講談社文庫 う 23-4) / 感想・レビュー
セウテス
3つの事件が2の事件3の事件最初の事件の順番で進行し、兎に角構成が面白い。最初の連続婦女暴行殺人事件の犯人は声明文をマスコミにおくり、そこから追い詰められて行くのだが、最後に犯人が残した言葉は、誰が声明文を書いたのかだった。2番目の誘拐事件は、誘拐された筈の娘が突然帰ってきて、自分は誘拐されていないと言う。謎の設定は興味深い、ちょっと考えても説明が思い浮かばない程だ。しかし残念な事に、最初の犯人が被害者の一部を切り取る意味の解明がなされておらず、又犯人に繋がる伏線が全く無いなど、納得のいかない部分がある。
2017/08/26
マッちゃま
目次を見た瞬間に「コリャ何かあるなぁ〜」と構えて読んでおりました。読んでいるウチに真相は予想してましたが、第1の事件は途中まで???でしたが、読んでてナルホド〜な展開になり氏らしさを感じました。本書とは全く関係無いんだけれど、少し前に「やもめの子持ち警官が極悪人」な作品を読んでいたので、本書も同じ設定ゆえに…まさかコイツも実は極悪非道警察官!?みたいな気持ちが抜け切れず大変でした。
2016/09/28
Gemi
先日読んだ誘拐ミステリ「さらわれたい女」も面白かったのだが、この「ガラス張りの誘拐」もやはり面白かった。やる気のない中年刑事の佐原。妻は数年前に通り魔殺人にあい他界している。親子関係がぎくしゃくしていた娘の深雪が誘拐された⁉犯人からの要求は「現金で一億円用意してください」と。しかしその犯人は、身代金をバレバレの状態で運べというではないか。そしていざ身代金を用意して次の指示を待つが、なかなかその後の指示がない。そして娘、深雪の視点でも展開は語られる。養護教諭、占い師…絡まった糸が解ける瞬間が気持ち良い。
2023/10/15
める
目次から何かあるなぁと思ってましたが、こう繋がるか!と驚きました。2章目あたりでなんとなく犯人は分かっていたものの、動機が分からず3章を一気に読みました。最後うまくまとめているからあぁ…と切なく感じましたが、誘拐ものだと考えるとちょっと物足りないですね。でも、少女の心の闇や父親の心情がうまく表現されていて、最後後味は良かったです。
2012/11/27
ミカママ
時系列がズレてるのを見た時点で「こりゃ何かあるな?」とは思ってたけど、へーそうなんだ?!めっちゃ意外でした。でもありえないよなぁ。この作家さんは「葉桜」でブレイクしたので、こんな以前から書いていたことにおどろき。上手だと思う。
2012/02/26
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