村上春樹全作品 1990~2000 第3巻 短編集II
村上春樹全作品 1990~2000 第3巻 短編集II / 感想・レビュー
tom
この世に内在する悪を語る物語が続き、読むのは面倒という気分。そして、最後に出てきたのが「蜂蜜パイ」。男二人と女が登場人物。主人公は女が好きだった。でも、もう一人の男が女と結婚してしまう。結婚後も付き合いは続き、夫婦には女の子が生まれる。男は浮気して、家を出ていく。でも、ちゃんと生活費を渡し、女の子に会うため女の家に行く。そのときは主人公も立ち会っていた。そうして・・主人公と女は結ばれましたという物語。作者が村上さんじゃなかったら、シンプルさを笑うかもしれない。でも、良い小説だと思う。
2022/12/03
ケイ
阪神淡路大震災前と震災後に分かれている。震災前では、「レキシントンの幽霊」が一番余韻が残り、気に入った。夜中にふと聞こえるパーティーの様子。古いジャズのレコードが魔法をかけるのか。震災後では、「アイロンのある風景」、海辺の焚き火のシーンが美しい。(一緒に生きられなくても死ぬことはできるかもしれない)。そして、「神の子供たちはみな踊る」、「かえるくん、東京を救う」。かえるくんの勇気が素晴らしい。応援は、人を元気にするんだなあ。
2013/06/28
那由田 忠
『レキシントンの幽霊 』の作品はあちこちにあって何度も読んでいる。『神の子どもたちはみな踊る』の作品はなぜかあまりなくて、3回目くらいになるのだろうか。「かえるくん、東京を救う」が一番好きだ。「がんばれ。大丈夫だ。君は勝てる。君は正しい」と、『アンナ・カレーニナ』好きのかえるくんは声をかけてほしかったのだ。真面目に生きているのに報われない、目立たない普通の人々を励ますような、ちょっと珍しい作品だと思っている。
2019/08/20
春ドーナツ
7年ぶりに読む。読書メーターに登録してからは3度目だと思う。先日、加藤典洋氏の短編小説に焦点を当てた評論(大学の講義録)を読んだ。アクロバティックでスリリングな解釈(それはある種の遊戯を思わせる。だから面白い)に影響を受けて私の「読み」は変化するのか確かめてみようと思ったのだ。結論を言うと変わらなかった。私の読み方はビートルズの歌でいうと「Let It Be(なすがままに)」なんだけれど、文体に含まれているリズムに乗って、心地よくページをめくる。それで良いじゃないか。シリアスな話でもそれは変わらないのだ。
2019/09/16
C-biscuit
図書館で借りる。初村上春樹である。この本は短編集になっており、1990-2000年に発表されたものが収録されているようである。初めて読んだので、どのような位置付けの本であるのかは正直わからなかった。内容については、短編ということで非常に読みやすかったが、私には難しいようで結局それが何かよくわからない話が多かった。まだまだ文学に慣れ親しんでいないのであろう。この本を借りたのは「かえるくん、東京を救う」という話を読みたかったのであるが、この話そのものも簡単なようで良くわからなかった。う〜ん村上春樹は難しい…。
2017/03/21
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