サアカスの馬・童謡 (少年少女日本文学館20)
サアカスの馬・童謡 (少年少女日本文学館20) / 感想・レビュー
☆よいこ
児童書。1920年代(大正~昭和初期)生まれの作家の、子どもが主人公の短編集。全ふりがな、語句解説付き▽[宿題/安岡章太郎]学校へ行かず墓地で過ごす少年[サアカクの馬/安岡章太郎]廊下に立たされ見ていたみすぼらしい馬に共感する少年[悪い夏/吉行淳之介]悪い叔父さん二人と一郎少年[童謡/吉行淳之介]布団の国[最後の殉教者/遠藤周作]臆病者の喜助[鱸(すずき)とおこぜ/阿川弘之]海の中ビタミンC[人隠し/小川国夫]行方不明の少女[天井裏の子供たち/北杜夫]悪童▽巻末に略年あり。「サアカスの馬」音読12分
2023/06/29
桜もち 太郎
凄いメンバーの作品集。読書対象は子ども達です。恐らく高学年でしょう。少年から大人に変わっていく過程が主に描かれています。性の匂いが漂い、毒々しい場面も多くあります。北杜夫の「天井裏の子供たち」は、強盗、万引き、飲酒に、喫煙、動物虐待のオンパレード。しかし子供目線で書かれているせいか夢の世界に思えます。でも夢はいつか冷めてしまう現実があるんですよね。異色なのは遠藤周作の「最後の殉教者」。沈黙を続ける神はキリストを捨てた喜助を救うことはできるのか、深い作品。今の子供たちにも読んでもらいたい作品集でした。
2016/09/19
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