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桜島・日の果て・幻化 (講談社文芸文庫 うB 1)

桜島・日の果て・幻化 (講談社文芸文庫 うB 1)

桜島・日の果て・幻化 (講談社文芸文庫 うB 1)

作家
梅崎春生
川村湊
出版社
講談社
発売日
1989-06-05
ISBN
9784061960473
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桜島・日の果て・幻化 (講談社文芸文庫 うB 1) / 感想・レビュー

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どんぐり

「風宴」「桜島」「日の果て」「幻化」の4篇。『梅崎春生・椎名麟三集』を数十年前に読んでいるが、ほとんど記憶に残っていない。このなかでは、ルソン島で軍務につく中尉が、女を連れて軍から離脱した軍医を射殺して来いと隊長に命じられ、下士官と連れだって探し出し決行するまでを描いた「日の果て」がいい。リアリズムのある筆致で緊迫感がよく伝わってくる。軍の絶対的な命令に従わざるを得ない呪縛と個人を無にする悲運を感じた次第だ。いま映画公開されているルバング島の小野田元陸軍少尉を描いた「ONODA」にも重なる話しだ。

2021/10/09

Aya Murakami

ツイッターで知った本。幻化目当てでアマゾンで購入。 なんだか死に場所探しなロードムービー風の幻化。阿蘇の火口を覗く時間がだんだん長くなりながらふらふら歩くシーンが生生しい。 桜島、日の果ては舞台が戦時中ということもあって入って生きづらい作品。改めて私は戦争を知らない子ども…じゃなかった大人なんだなぁ。

2023/08/01

アナーキー靴下

「風宴」「桜島」「日の果て」「幻化」の4作品収録されているが、前半2作品でギブアップ。図書館で借りた本だけど、もう二度と図書館で梅崎春生は借りないと思うほどひどい状態(詳細は省くけど…汚い…というか気持ち悪い)。本の内容の感想でなくてごめんなさい。前半2作品は良かったけどもう感想もふっとびました。生と死の葛藤、そして玉音放送…みたいな、たった一度しかあり得ないような痛切なシーンなのに、集中したくても全然集中できないよ。縁がなかったんだ、さようなら梅崎春生。

2022/04/11

chanvesa

『富士日記』で梅崎春生の死に、泰淳・百合子・花がそれぞれ泣いたという場面に即発され再読。「桜島」は迫力がある。前に読んだ時は何を考えていたのだろう?見張りの男が見ていた老人の自殺未遂の場面。「爺さんがそんな事をしなくてはならないのが残酷か。見ていた子供が残酷か。そんな秘密の情景を、私がそっと双眼鏡で見ているということが残酷なのか、よく判らないんです。」(95頁)この「判らない」ということが人間を闇に置き去りにする要素なのかもしれない。「幻化」は精神病院を抜け出したというシチュエーションが特殊にしてしまう。

2021/05/05

chanvesa

読まれた方が皆さん絶賛されているので、何だか申し訳ないですが、「風宴」から死を頭で考えたような、そして死を敢えてシニカルに見たような語り口が鼻につく。「桜島」より後の作品は少しその色が薄まっているが、基調は同じように感じる。梅崎自身の経験から死は身近であったはずであり、作り物っぽさを読み取る私が誤読しているのだろう。学生時代に「幻化」を読んで感激した記憶があるのに。

2017/06/10

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