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意味という病 (講談社文芸文庫 かB 2)

意味という病 (講談社文芸文庫 かB 2)

意味という病 (講談社文芸文庫 かB 2)

作家
柄谷行人
すが秀実
出版社
講談社
発売日
1989-10-04
ISBN
9784061960565
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意味という病 (講談社文芸文庫 かB 2) / 感想・レビュー

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chanvesa

「マクベス論」と「歴史と自然」(鴎外論)がすごい。前者の「彼(マクベス)にとって世界はもはや意味もないが不条理でもない、たんにそこにあるだけだ…マクベスはただうんざりしたのだといってもよい。」(63~64頁)の説得力は衝撃だ。意味という亡霊のような存在を、近代は病、熱病のように執着させてしまうのかもしれない。漱石や鴎外のような時代と闘った巨人はその苦闘のなかで冷徹さの中で「夢のように」「自分を操り人形のように感じた」(163頁)。鴎外を避けてきたが、そろそろ向き合わねばと思う。

2015/09/13

ころこ

「意味」という現実を認識するということ自体が、解釈という亡霊に憑りつかれています。代表作の『マクベス論』は、マクベスを指しているわけではありません。確かに、『あとがき』で著者が指摘するように、マクベスとマクベス夫人を、自らと全共闘の活動家と重ねているようにみえます。マクベスが耐えがたかったのは、何をやってもやらなくても同じだという意識であり、王になりたいわけではないが、王にならなければこの状態から抜け出せないことだといいます。マクベスは、内面の無い人間に映りますが、精神を自然(意味以前の世界)として体現し

2018/04/20

こうすけ

柄谷行人の文芸評論集。マクベス論から始まり、エッセイ的な文章も含めていろいろな作家・作品論が読める。自分は昔からヘミングウェイが好きで、最近は庄野潤三にはまりだしているが、このふたりをつなげて語っている評論があり目から鱗だった。自分の現実認識と、彼らの現実認識が近いから、読んでいて気持ちいいのだと納得。ほかにも森鴎外の歴史小説についてなど気付きがたくさん。「AはBではない。ということはつまり、AはB以外のすべてである」みたいな大胆な論の展開が楽しい。評論みたいなのは読みなれてないけど、それでも面白かった。

2023/06/01

耳クソ

ほえ~なんかカントっぽい~と思いながら読んだ(←尚この読者、カントはまったく理解できていない模様)。

2021/05/04

かふ

逆説なんだが、結局意味を問うているということに尽きると思う。それは柄谷行人になくても読者はということで。夢の不合理さを自然なことで精神=自然という捉え方はヘーゲルの精神≠自然とは真っ向対立する。それは例えば木村敏の『時間と自己』の自己の在り方のような気がする。「祭りのあと」という神経症的状態は意味を問わずにいられない現代の病だ。予め予言されている不合理を「マクベス」は生きていかねばならなかった。それはキリスト教以前の悲劇であった。改定稿でまったく逆の結論を示したという。「悲劇」の超越だ。結局意味を求める。

2023/05/23

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