壊れものとしての人間 (講談社文芸文庫 おA 8 現代日本のエッセイ)
壊れものとしての人間 (講談社文芸文庫 おA 8 現代日本のエッセイ) / 感想・レビュー
メタボン
☆☆☆★ 旧講談社文庫版で読了。エッセイとも批評とも小説とも読める一篇一篇が充実した骨太な文章。英語の文献からエッセンスを抽出してくるのは大江が得意とするものだが、そのたくらみは効果的で、言葉が響いてくる。時折出てくる四国の方言も諧謔的で面白い。
2020/10/17
やまねっと
書いてあることがさっぱりわからなかった。書かれていること、これが文学的定義なのかと思えば大方の説明はつく。一つの文章でありとあらゆるところにテーマが飛んでいくので、字面だけを見て理解するに及ばなかった。この本はエッセイだけど、小説として読めばある程度納得のいくことだと思う。 苦い読書体験の一つとなった。
にゃら
初期の小説の魂のようなものが描かれている自伝を含んだエッセイ。大江健三郎はやはり天才的だと思った。谷間で育った怪物である。傑作でした。
2017/09/11
@第2版
甚だ晦渋だった。それは文体もさることながら、引用される書物が膨大を窮めることにも起因している。自分の狭隘な読書経験では到底太刀打ちできなかった。 巻末の解説が窮めて解りやすく纏められており、大江文学における本著の凡その立ち位置を把握できただけでも取り敢えず良しとした。どうやら「核時代の想像力」を先に読むべきだったらしい。 他に、個人的に注目したのはp198で言及された「救済」という言説。恐らく大江文学でこの言説が現れたのはこれが初ではないか? 今後の方向性を規定する重大な起点と思われる。再読必須。
2020/02/08
gurisan
★★☆☆☆
2009/07/27
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