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村の家・おじさんの話・歌のわかれ (講談社文芸文庫 なB 6)

村の家・おじさんの話・歌のわかれ (講談社文芸文庫 なB 6)

村の家・おじさんの話・歌のわかれ (講談社文芸文庫 なB 6)

作家
中野重治
川西 政明
出版社
講談社
発売日
1994-03-04
ISBN
9784061962651
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村の家・おじさんの話・歌のわかれ (講談社文芸文庫 なB 6) / 感想・レビュー

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佐島楓

学校の課題で「村の家」のみ読む。うーん、おそらく著者の背景を知っていないとわかりにくい小説。「転向」という文字がちらほらあったり、逮捕されたときのエピソードも出てくるためそういうことかとぼんやり理解できる。講義を受けて理解を深めたい。

2017/02/22

藤森かつき(Katsuki Fujimori)

中野重治の誕生日に。書くことを禁じられたり、投獄されたり、転向させられたり、そんな中で良く書くことを続けたなぁ、と。名前は様々だけど、どれも体験を元にした物語なのだろうなぁ。「春先の風」太陽のない街の続きを読んでる気分になった。それにしても、人に対する扱いの酷さ。「村の家」父親の台詞が方言が難しすぎて半分も理解できない。筆を捨てろと言われても、できないことはある。書いて行きたい、との言葉に確固たるものを感じた。「小説の書けぬ小説家」色々な苦悩が渦巻いている。昭和12年頃、何て苦難な道を歩いているのだろう。

2020/01/25

あや

何度目かの再読。転向文学というジャンルがあるということを尊敬する方に説明する必要があって読み返した。「村の家 」の戦中の福井の裕福な農家の家の中の描写がリアルで情景喚起力がすごいと思う。言論の自由を封じられ、書きたいことを書けば投獄される。転向して釈放される主人公を父は筆を折り農業に従事せよとすすめる。それでも書くという決断を静かに言う主人公。後世に転向文学というジャンルが残されたのは書き続けた主人公の決断によるからだ。「書いていきたいと思います」と父に答える主人公の直後の4行くらいの心理描写が巧みで好き

2023/10/29

かふ

『村の家』は転向文学として有名なんだけど読み難い。「転向」して刑務所から出てきた息子と父と母の息子に対する言葉は、口語体でなかなか意味が汲み取りにくい。父はいい人なんだが「共産党できるのは当たりまえのこと、しかしたとえレーニンを持ってきても日本の天皇のような魅力を与えることができぬこと」この言葉に尽きると思うのだが、父親は村の保険代理店をやっているような人で農民ではない。農民を助ける立場にいる人だが、村の感情を表している。死んで出てくると思ったは何を表しているのか?解説では「武士道」にかこつけていた。

2021/06/21

ネムル

転向文学としてつとに名高い本作、「村」と「家」の二つの封建制と、「父(=天皇?)」とのすれ違い。あまり良い出来の短編とは思わず、と切り捨てるは容易だが、これら戦前の作品群が治安維持法や小林多喜二虐殺の最中に描かれているということを真摯に受け止めるべきなのだろう。まずは中野重治の評伝、山城むつみの著作、中野自身の作品なら「五勺の酒」辺りはあたっておきたい。

2020/01/09

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