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哀しき父 椎の若葉 (講談社文芸文庫 かI 1)

哀しき父 椎の若葉 (講談社文芸文庫 かI 1)

哀しき父 椎の若葉 (講談社文芸文庫 かI 1)

作家
葛西善蔵
水上勉
出版社
講談社
発売日
1994-12-05
ISBN
9784061963023
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哀しき父 椎の若葉 (講談社文芸文庫 かI 1) / 感想・レビュー

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佐島楓

「子をつれて」のみ課題のため読む。貧乏に悩まされながらも金策を妻に任せ、自らはまっとうな努力をしない(ように見える)主人公。破滅型の私小説という感じで、この状況を嗜虐的に楽しんでいるのではないかという疑いさえ持ってしまう。葛西が女性(母親)であればこの題名はつけていないだろうという確信もあり、ちょっと好きになれそうにない作家。

2017/02/05

ステビア

まさに破滅型私小説という感じ。全編呪詛のようだ。しばらくこれ系はいいな…。

2014/09/09

ともすけ

葛西善蔵の作品を読むに当たって学者ぶるのでもなければもう破滅型私小説作家という文学史的知識を前提に読む必要はないだろう。そのような読み方をすると葛西の作品の読みを大幅に狭めてしまう、というより袋小路に入って読めなくなるだろう。その結果今日のように読まれない作家となってしまったのであってそれは学校教育の責任と言える。いざ読んでみればわかるように話自体はたいしたことを書いているわけではないが日本人の心性に触れる文章表現で書かれているのだ。これから読む人にはまっさらな気持ちで葛西作品を読んでもらいたいと願う。

2016/06/15

ジュリ(村上)

弘前の文学館のようなところで、当地出身で壮絶な生き方をした作家がいると聞き読んでみた。想像とは異なり、とぼけたところがあったり、観光地の宿に中期滞在したりと、貧窮の中にも意外な要素が見られるのに驚いた。しかも妻の他におせいを囲ったり…(作中ではおせいを追っ払いたいような素振りもあるが)。同じ主題が多かったのはややきつかった。音楽でいえば、パンクを想像して聴いてみたら実際は英国プログレフォークだった感じかな(違うか)。

2023/09/09

★★★☆☆(舟木重雄、相馬泰三、広津和郎、谷崎精二らとともに「奇蹟」の同人。仲間同士を小説の中で批判し合ったその道場主義は広津や宇野の小説でよく紹介されているが、特に葛西の道場(稽古)は厳しく、意図的に実体験に創作を織り込みながら、自身の小説の為なら他の何者をも犠牲にしても構わないという姿勢がある。宇野は芥川を芸術的精進の人、葛西を人生的精進の人と語っている。葛西は確かに破滅型の私小説作家といえるが、読む前のイメージと違って実力のある作家だと思う。又、小説の為にだけ生きた作家でもある。)

2013/11/08

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