日本文壇史 5: 回想の文学 (講談社文芸文庫 いD 6)
日本文壇史 5: 回想の文学 (講談社文芸文庫 いD 6) / 感想・レビュー
かふ
たまたま古本屋で伊藤整『日本文壇史』を見つけたので読んでみた。『日本文壇史』は、高橋源一郎『日本文学盛衰史』の旧約版みたいな位置だろうか。全24巻。今では忘れさられた日本文学の『失われた時を求めて』だろうか?伊藤整はジョイスやロレンス『チャタレイ夫人の恋人』を翻訳した人なのだ。チャタレイ裁判や「純文学論争」が有名で本人が書いたものはあまり読まれなかったのかもしれない。しかしこの『日本文壇史』元ネタの宝庫というか、様々な文学者の顔が時代と共に現れてくる。
2022/07/12
AR読書記録
それほど大きな出来事とか動きとかなくて、地味な印象の一巻であった。人物に対する個人的興味でいうと、ちらりちらりと寺田寅彦が登場しているのが気になる。あとは正岡子規の、病床にあっても衰えぬ食欲の逸話とか。悪いことじゃないはずなんだけど、“あさましさ”を感じてしまう自分の心の中を追究せねばならん。ところで、「解説」がこの本に対するものではなくて、伊藤整についてのそれだった。伊藤整の作品を読む前に知っておきたかったということがいろいろ。ジョイスにも踏み出さねばならんのう。
2015/03/18
rbyawa
h091、硯友社の衰退に自然主義が関わっているのだと長く聞いていたものの、せいぜい名が知られているのが藤村くらいでジャンルは詩作、「次世代」の代表格と数えられているのが完全に硯友社と行動を共にしている泉鏡花なのもちょっとわかりにくい。文学作品の質で考えると樋口一葉が女性男性関係なく圧倒的なのかも…(そういやこの人世代で捉えられてないな、ほんの短期間だけど頂点扱い、その最中に夭逝)。ちょくちょく政治が出てくるのはそれが当時の青年の一番身近にあり影響があったためだろうなぁ、次の巻くらいで世代交代になるのかな。
2017/12/30
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