日本文壇史 10: 回想の文学 (講談社文芸文庫 いD 11 回想の文学)
日本文壇史 10: 回想の文学 (講談社文芸文庫 いD 11 回想の文学) / 感想・レビュー
AR読書記録
このシリーズを読んでいて面白いのは、文学者の姿を、作品からじゃなくて、生い立ちとか性格を伝えるエピソードとか、人となりからじっくり描き出しているところで、そうすると、書いているものは立派なのに実は本人の生きざまはゲスいなとか(いやそこまでの人は少ないけれども)、人としての生々しさがしみだしてきて、“文学”鑑賞の心理的ハードルが低められる気がするのです。人の金を気前よく振る舞う啄木のエピソードを読むと、いまはちょうどラスコーリニコフを思い出すな。やだな。
2015/07/04
iwasabi47
瀬沼さんが編集になってから章立が簡明になり読みやすくなった。
2020/05/05
rbyawa
h071、この巻の終わりのほうに社会主義運動家(生まれたて)の章があって、全体的な浪花節の漂うエピソード語りとのあまりの違いに若干びっくりしたものの、まあうん…、この手の活動記録そのものが運動の成長でもあるのかな。日露戦争のち、漱石氏が順調に世に出て朝日新聞に入社したものの、正直自信たっぷりだった読売新聞のあまりの条件の悪さにびっくり…よほど作家に人権なかったんだろうなぁ(ただ相手は帝大教授)。あと確かに印象的だった石川啄木のばら撒き癖、あれは…なにかの精神の病気なのかな…、当人に現金を見せると危ない…。
2018/09/27
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