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教祖の文学・不良少年とキリスト (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)

教祖の文学・不良少年とキリスト (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)

教祖の文学・不良少年とキリスト (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)

作家
坂口安吾
出版社
講談社
発売日
1996-07-01
ISBN
9784061963771
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教祖の文学・不良少年とキリスト (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ) / 感想・レビュー

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上品過ぎて僧侶のような寺

坂口安吾は『堕落論』『日本文化私観』などの論文風のものより、本書にあるようなエッセイが好きである。何度読んでも飽きないのはこうした雑文風のものである。そして雑文でありながら志高い文学である。人間、志だけは高いか低いか割と簡単にバレてしまうものである。表題の『教祖の文学』『不良少年とキリスト』は、いつ読んでも素晴らしい。同じくらい素晴らしいのが帝銀事件や下山事件を扱ったもの(本書収録)で、下山事件を扱った『孤独と好色』は人間である事の淋しさを感じる。最初は失敗談風の『安吾風流譚』も素晴らしい。お薦めします。

2019/11/15

香菜子(かなこ・Kanako)

教祖の文学 不良少年とキリスト。坂口安吾先生の著書。坂口安吾先生の著書は初めて読みましたが、エッセイが醸し出す独特の雰囲気に惹き込まれてしまいました。坂口安吾先生の他の作品も読んでみたいと思わせる内容です。

2018/12/13

galoisbaobab

教祖は小林秀雄、不良少年は太宰治。なかなか鋭い切り口のエッセイ(?)。が、やはり安吾は小説がいい。パンクが正論に聞こえてくるとそれはそれでつまらなくなる。権威に噛みつき芸術に向き合い続ける彼は好きですがね。

2016/12/11

ももみず

安吾忌によせて。昔「教祖の文学」を読んだときは、字面通り受け取って、まったく小林秀雄なんて読むに値せず!と決めつけていたけど(それは模試で小林秀雄の文章に苦しめられたサカウラミも多分に含まれてるのだが)、いま読み返すと、その受け止め方こそが、安吾の厭う「鑑定家」的態度だなと。愛だよ、愛。この評論に貫かれているのは、安吾の、小林秀雄に対する、いや、すべての人間に対する愛だ。愛がなきゃ、こんな批評は書けまい。太宰を斬るときの書き方も同じ。こんな愛に塗れた刃を振りかざせる人間なんて、そうそういませんわ。

2015/02/18

由萌

不良少年とキリストに泣きそうになった。生きていることがすべてだと、生きてほしいという著者の願いが強かった。その著者が太宰治が失踪してから送った手紙はついに読まれず、著者自身がその後に薬物中毒に溺れていってしまうというのもつらかった。読み応えもあり、すぐに読むことが出来た。

2017/12/10

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