日本文壇史 12 (講談社文芸文庫 いD 13 回想の文学)
日本文壇史 12 (講談社文芸文庫 いD 13 回想の文学) / 感想・レビュー
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森田草平「煤煙事件」。谷口ジローの『坊っちゃんの時代』の森田の絵面・描写はどうもイヤな感じで、明子の内面と合わせどうも理解しづらいエピソード...とか思ってたんだけど、ここで読むと、まあ女にだらしない面は否めないものの、愛や死生というものへの真剣な思索は感じられて、とりあえず生きて帰ったという結末まで含めて納得。ほか、「なるほど」とおもったのは、「自然派が文壇に力を振ったのは、批評家の支持があったばかりでなく、現実に有力な発表機関がその派の手に握られていたからであった」というところ。
2015/08/19
iwasabi47
先長いよな。
2020/05/09
rbyawa
i120、正直なところこのシリーズにおいて自然主義が台頭するまで「小説が最高の地位」などという扱いは全くなく、この前の巻くらいから妙に格調の高い解説が続いていて若干げんなりしていたものの(なにしろちょくちょく文士が餓死するのもこの本)、その盛り上がりに水を差すように雑誌の欠点などもちょこちょこと差し込まれているような。なんらかの気遣いでこういう記述のスタイルになったのかもなぁ…。独歩の死まで至るまでの疾走、彼のなけなしの知名度を利用しようとする有象無象。花袋に共鳴する青年作家たちのほうがまだしもかなぁ…。
2019/01/10
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