日本文壇史 13 (講談社文芸文庫 いD 14 回想の文学)
日本文壇史 13 (講談社文芸文庫 いD 14 回想の文学) / 感想・レビュー
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「近年の文壇での最も顕著な事実は、自然主義者たちが、生活をじかに描くという道を開いた、ということであった。作家としての技倆とか文章などはほとんど問題でなく、生活に対する率直な態度自体が革新的であることを(...)認めなければならなかった」。うーん。率直はいいけど、生活自体がなかなかこう問題ありな場合がな。いやでも人間も作品も品行方正なのばかりでは面白くもないし世界を何も描いてないに等しいし。じゃあ反省的懲罰的なら問題ありでもいいかというとお説教くさくなりそうだし。何を書くのか何を読みたいのか、難しいな。
2015/09/17
rbyawa
j043、自然主義の時代のこの本には引っ掛かる記述が正直かなりあったのだが、この巻に来てわりとまとめて否定されていて若干びっくり…ああ、前の巻からたまに感じていたんだけど、ご存命の時代のこと書くと気を使うこともあるのかもね…。具体的には雑誌の勢力図だがほとんど反転するくらいに違う、自然主義の牙城もそう大したこともないってことに…なる模様。もともと、この本は文壇から弾かれた作家を扱っているほうがはるかに出来がいい、逆説的にその時期の主流の大きさもわかるしなぁ、特に面白かったのが石川啄木、混乱も無理もないな。
2019/04/29
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