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たった一人の反乱 (講談社文芸文庫 まA 3)

たった一人の反乱 (講談社文芸文庫 まA 3)

たった一人の反乱 (講談社文芸文庫 まA 3)

作家
丸谷才一
三浦雅士
出版社
講談社
発売日
1997-03-10
ISBN
9784061975583
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たった一人の反乱 (講談社文芸文庫 まA 3) / 感想・レビュー

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遥かなる想い

防衛庁に出向することを断った元通産官僚が,20歳下のモデルと再婚し、次から次へとトラブルに巻き込まれる物語。でも、『誰に』反乱していたのだろうか? 社会なのか・官僚組織なのか・・文体が軽妙で面白いのだが、文章も上手いとは思うのだが,作者一人が動き回っている印象が強い読後感だった。

サンタマリア

すげー面白かった。登場人物の俗っぽさや、あれよあれよと変わる状況などで大いに笑った。女中のツルやモデルのユカリといった女性陣が色んな意味で魅力的な点も気に入った。市民論と時計の関係は、僕も漠然とではあるが似たようなことを考えていたため、大いに頷ける箇所があった。まぁ今と昔では市民の定義がだいぶ違うらしいが。なんてこと思いながら解説を読んだら、これもまぁ面白い。『たった一人の反乱』ってそういう意味だったのか。

2022/07/18

ken_sakura

面白く可笑しい(^。^)悩まない主人公馬淵英介の物語。万事風任せ♪( ´▽`)明治時代に北陸実業界に曽祖父を持ち、東大卒経産省官僚、今は天下って家電メーカーの部長、最初の妻と死別、子供無し女中あり。物語はモデルと合コンから。6章のプロポーズは面白い。女中のおツルさんの反乱は好き。20章の浮気した妻ユカリを脇に英介とカメラマン貝塚の市民社会を論じる頓珍漢な、しかしよく分かる気がする修羅場にドキドキ。1章から香り、終章で語られる「たった一人」の意味合いにとても感心。通して隆慶一郎を思い出す。著者の本は初めて

2018/04/28

ネムル

丸谷才一初期作ということでかヒロインに色気が足りないが、そして不思議と婆ちゃんのほうが色気たっぷりでカッコいいのだが、とりあえず最高である。72年に描かれた「反乱」小説であれば当然学生運動も描かれはするのだが、物語の中心は登場人物各々の警察官僚や、はたまた学界、女中という身分への闘争である。また、それもちんまい反抗であり、顛末もしょうもなく、その反抗者たち皆俗物であり、そのチャラさの徹底において偉大な作品である。作中、戦争のことが話題になる度ドキッとするが、いまなお72年の作品ということが信じかねる。

2016/10/25

ジュンコ

時代を感じる。ユーモアも風刺も利いてておもしろかった。物語としては完結しているけれど、物語の中を生きる人々には完結はなくて、まだまだ波乱が待ち受けているんだろうなと想像してしまう。

2016/06/22

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