悩ましき土地 (講談社文芸文庫 よA 5)
悩ましき土地 (講談社文芸文庫 よA 5) / 感想・レビュー
sk
短い読み切り程度の短編集だが構造は複雑であり、濃密な性とユーモアの香りがする。私小説の形式を取りながらも「私」の湿った懊悩が主題なのではなく、あくまで「私」を取り囲む人物群に翻弄される「私」の反応を描いていて面白かった。
2014/05/10
メルコ
5年ほど前に、吉行淳之介の描く下世話な私小説風の作品群に魅せられてハマッていた。しばらくぶりに手にしてみると、粗さや雑なところが目に付き肩透かしを食らう。どうしてそんなに夢中になったのか、孤独なこころに染みてくるものがあるのかもしれない。
2013/12/11
hirayama46
ぼくはあまり懐古的な人間ではないつもりでいますが、吉行淳之介の小説には昔の空気のようなものを強く匂わせるものがあって、それが実に魅力的に思えます。わりと厭な話も多いのですが、どこか飄々としているあたりも素敵です。クール。
2013/05/20
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