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私という謎 寺山修司エッセイ選 (講談社文芸文庫 てB 1)

私という謎 寺山修司エッセイ選 (講談社文芸文庫 てB 1)

私という謎 寺山修司エッセイ選 (講談社文芸文庫 てB 1)

作家
寺山修司
川本三郎
出版社
講談社
発売日
2002-02-08
ISBN
9784061982871
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私という謎 寺山修司エッセイ選 (講談社文芸文庫 てB 1) / 感想・レビュー

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ちどり

「鏡には、堕落への魅惑がひそんでいる」←自分の知ってる詩を作る寺山修司の姿や「江戸川乱歩の小説は、どうやら老童貞のエロチシズムといった趣きをもっているが、……」「『ガリヴァ―旅行記』や『書物合戦』などを書いた大ぼら吹きのスウィフト……」←とドキリとするような発言をする寺山修司だが“自分を語っているようでいて生まの形では語らない”自分自身を隠す人間だったのかもしれない…

2017/04/24

ハチアカデミー

寺山はいまだって新しい。私に拘りつづけた日本文学にあって、如何に己から飛躍できるかを目指した彼の作品群は異彩を放つ。彼が好んだ作家を取り上げたエッセイ、旅にまつわるもの、そして嘘と作為まみれの自伝からなる本書は、寺山修司の本質(なのか実存なのか)がよくわかる。捨てられた鰐に注目するピンチョン「V」評が印象に残るが、それ以上に本当のことと嘘が入り交じる、己の「母」への思いを描く三章がおもしろい。嘘を語っても、そこに描かれるイメージや願望は実際に寺山が抱いたものであり、そうなると本当と嘘の境が溶けていく。

2013/10/14

あなた

わたしたちは、なにかを「いわない」ために、そのことを「いいつづける」のだということをよく知っている。おそらく「私」とは、そのはざかいにある「引き裂かれ」のことだろう。「書も捨てず、街へも出られず」『家出のすすめ』を書きながら、結局「イエ」を出ることさえ、かなわなかった。否定というのは最高の肯定の形態なのである。「『家出のすすめ』を書いてるんだよ」「ああ、あたしも賛成だよ。家出するなら、母さんも一緒に行ってあげるからね」

2009/09/11

六波羅

寺山修司と言えば、演劇、映画製作、エッセイ、俳句、短歌、詩などマルチな活動で現在も後進に影響を与え続けている人物だ。その活動のなかで、僕の注目する寺山修司のキーワードは「競馬」「母親」の2つ。「競馬」は昨今の風潮からすれば浪花節全開なので好き嫌いあると思うが、逃げ馬(脚質が逃げの競走馬)と逃亡を続ける人物を重ね合わせる手法は見事だと思う。次に「母親」寺山修司が過去を改竄して作り上げた、虚構の母親。母恋しや母憎しの俳句や短歌。僕はそれらを読むと正直嫌な気分になる。絶縁して久しい母親を思い出すからだ。

2014/10/19

あくび虫

確かにエッセイなのですが、なんとなくエッセイではない。一冊の哲学書のようであり、小宇宙で、虚構。通底する思想を感じながら読んでいると、「これはいったい何が事実なんだろう…?」と迷宮に入り込んでいく気分になります。それくらい絵的でドラマティックさがあります。

2018/07/27

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