戦後短篇小説再発見18 夢と幻想の世界 (講談社文芸文庫)
戦後短篇小説再発見18 夢と幻想の世界 (講談社文芸文庫) / 感想・レビュー
おおかみ
「夢は現、現は夢」とは江戸川乱歩の常套句だが、夢や幻想を描いた小説というのは鏡像のようにちぐはぐに、しかし確かに現実世界を映し出すようである。考えてみれば、我々が文学に求めるものは非日常そのものであり、それは夢と幻想の世界に他ならないのではないか。テーマ別短篇集でありながら様々な作風が楽しめる、シリーズの醍醐味も健在。
2011/11/05
めぐ
色川武夫の作品が一番好きでした。和風聊斎志異みたいな趣もあって、主人公たちのかつての辛い悲しい気持ちも刺さるようです。川上弘美はこのころが一番好きでした。村田喜代子さんは初めて読んで、生々しいフェミ臭がすごく嫌だけど、ぞっとする気持ち悪さ&美しさはよかったです。矢川澄子はやっぱり素敵だな、外国文学みたいだな、と思いました。
2017/04/06
霜月ざら
1949~1996年までの11作品の短編集。亡くなった作家、現役の作家の作品があり、短い間に日本語も随分変わったなと思った。「夢と幻想」と一括りにしてもそれぞれ個性的で続けて読むのは頭の切り替えが少し難しかった。
2013/08/07
風見鶏
泉鏡花世界のようなものを期待したのだけど……ちょっと違ったみたいだ。確かに面白い作品もいくつかあったのだが、「再発見」のわりには有名作家が多い。かと思いきや帳尻合わせのように「再発見」に力を入れてくる。個人的にはこれがおもしろいの?夢と幻想の世界なの?と思うような作品もあったので、もうちょっと色々検討してほしかった。『ピーターパンの島』『ハワイアン・ラプソディ』『消える』が面白かったけど、これ星新一に村上龍に川上弘美ですよ。あとは『鏡に棲む男』を発見できたことはよかった。
2013/07/13
kankoto
谷崎の「過酸化マンガン水の夢」が読みたくて購入。以前どこかで読んでふたたび読みたくなった(好きです)川上弘美さんの昔の作品はやっぱり不思議で良いですね。あと吉行の「蠅」はうまいなあと思いました。
2012/04/13
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