埴谷雄高政治論集 埴谷雄高評論選書 1 (講談社文芸文庫)
埴谷雄高政治論集 埴谷雄高評論選書 1 (講談社文芸文庫) / 感想・レビュー
館チョー
良い。
2013/02/08
たんかともま
正直かなり晦渋な文章だが、そこに詩的な美しさがあり、評論という枠を越えている。頭でっかちな、机上の論理に思える部分もあるが、ビジョンを示すことができれば革命家の資格あり、という気持ちになった。ここまで死者に寄り添った政治論もなかなかない。階級対立、絶えざる現在との関係、自身の知らない他のことのみに関心をもち熱烈に論ずる態度、と政治を分析したのは慧眼。政治の原理は他の思考と今でも言える。一方で文学を個人の延長に築き上げるもの、と表現しているのがよかった。人間的な立ち位置でなく、存在などから見つめている印象。
2019/10/21
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