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日本文学史早わかり (講談社文芸文庫 まA 4)

日本文学史早わかり (講談社文芸文庫 まA 4)

日本文学史早わかり (講談社文芸文庫 まA 4)

作家
丸谷才一
出版社
講談社
発売日
2004-08-10
ISBN
9784061983786
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日本文学史早わかり (講談社文芸文庫 まA 4) / 感想・レビュー

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クラムボン

読友さんの感想に惹かれて読んでみました。表題作の他にも王朝和歌から現代小説まで論じて盛り沢山。古典文学には親近感を持ちながらも、日本文学史となると…まだ先だと思っていた。丸谷さんは旧来の「日本文学史」に疑問を抱く中、何十年も経て西洋の文学史の型に無理に当て嵌めたと気づいたらしい。日本には平安~室町時代にかけて天皇の命で編纂された勅撰集があったと。これは個人歌集ではなく詞華集。丸谷さんはこれに大注目した。そして勅撰集に目を付けると、その栄枯盛衰が自ずと日本文学の時代区分になるそう…何か視界が開けたようだ。

2022/05/05

たま

辻邦生の『西行花伝』(1995)を読んでいたら、「私が勅撰和歌集を試みるのは、…歌によって真実の政治を果たさんがためなのだ」と崇徳院が語る個所があり、昔読んだ『日本文学史早わかり』(1978)を思い出して再読した。「呪術者と詩人と君主とを兼ねた者の、呪術と言へば呪術、文学と言へば文学、そして政治と言へば政治である作業の仕掛けが歌だった…」。舒明天皇から昭和天皇までの歌を論じた「香具山から最上川へ」(崇徳院の「瀬を早み」も含む)と題する短い評論はその実例であるが、どの歌もとても良くて心に残る。

2021/08/09

禿童子

文学から文学を作る。和歌の本歌取り、俳諧に見られる古歌のパロディ。「駒とめて袖うちはらふかげもなし佐野のわたりの雪の夕ぐれ」定家。「笠さして尻もからげず降る雪に定家の卿もはだしなるべし」芭蕉。(「雪の夕ぐれ」から) 明治末年以降の個人中心の「純文学」的文学史に対して、共同体としての文学史を勅撰和歌集という日本オリジナルの詞華集を軸にして展開する丸谷才一の筆の冴えを楽しめる。日本の文学史の代表的批評家が紀貫之、藤原定家、正岡子規の三人とは確かに早わかり!よくできた一筆書きの文学史としておすすめです。

2018/04/01

かふ

日本の文学史を古来から親しまれている詩歌中心として見る文学史なので、小説中心の近代文学史ではなかった。そこにこの本の特徴がある。詩歌を勅撰集によって分けてその頂点を『新古今集』に置く。それからは和歌は衰退していくのだが能や俳諧に受け継がれて芭蕉などの七部集が重要になり近代の正岡子規の登場となっていく。やはり興味は小説とかにあるのでその先はどうなんだろうと思ったらら永井荷風を重要視していた。江戸から伝わる戯作文学とフランス仕込の自然主義文学。永井荷風の興味が湧いてきた。

2024/09/03

fseigojp

日本文学の根底にある詩魂 それが原初だった 漢文学の影響で散文が展開した

2015/07/30

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