東京小説 (講談社文芸文庫 のA 2)
東京小説 (講談社文芸文庫 のA 2) / 感想・レビュー
ハチアカデミー
C+ 頁を開けば思い出すこの文体! 国宝級名人芸・野坂節を満喫。男がいて女がいて、出会ってまぐわって、子が産まれる。人生はそのぐらいシンプルなもの。そこから、哀憐の物語を生み出すことが出来る魅力的な作家である。東京を舞台に、そこで生きる人々の人生を描く短編集。市井の人々にまじり、自らの生い立ちについて語った「私編」、桜庭「赤朽葉家」が20頁に圧縮されたかのような「ルーツ編」、そして「純愛編」が特に良い。翻訳不能の文体を操る作家として、もっと真面目に言及、研究されるべき。第三の新人よりも凄いぜNOSAKA!
2012/04/15
rakukko
88-9年の作品、私が僅かに読んだ作の中では最も新しく、期待薄めであったが非常に面白かった。淡々としかし怒涛のあの文体でサンプリングされた現代都市に棲む人々の人生・世代13篇が書き連ねられている。ホントかよと疑って読んだ「私編」で書かれてる内容は巻末の年譜とwiki通りで驚いた。巻末には著書目録も付いてるし解説は町田康だし本編以外も充実。
2014/11/19
カラシニコフ
野坂昭如氏が描いた、東京の姿。想像と違った。
2017/02/07
笠井康平
豊かな暮らし、寂しい気もち
2014/05/11
ふせひろ
濃い。短い中にぎゅっとつまってる。東京小説といっても、あまり東京を感じない、が、そのとらえどころのなさ、すべてを是として(もしくは無として)受け入れる部分にこそ東京という大都市の本質があるのかしらん。慈母編が印象的だった。
2012/08/06
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