三島由紀夫文学論集 I (講談社文芸文庫)
三島由紀夫文学論集 I (講談社文芸文庫) / 感想・レビュー
優希
面白かったです。三島イズムが炸裂していますね。告白と批評の中間にあるような精神と肉体の幻視がまさに三島の文学の真髄にあるような気がしてなりません。かと思えば文学者の何気ない思想が紡がれていたりすると、文豪である以前に人間臭いところがあることを感じさせます。文学史における稀有な存在として輝いた三島の文学像と少し変わった魅力を見たような気がしました。言葉にするのが難しいことでもサラリと言語化する姿に共感せずにはいられません。
2016/10/15
佐島楓
〈大学図書館〉既読のところもあるので飛ばし飛ばし。俳優論はさすが三島、凄いな。ふわっとしたことをがっちり論理的に言語化している。才気に溢れる感じにあてられそう。
2019/07/13
ふくしんづけ
わからないけど、ちょっとわかる。ちょっとわかるけど、わからない。この按配が、自分にとって、三島由紀夫は良いようである。「太陽と鉄」なんかはまさにそれ。「小説家の休暇」は戒めとして読んでしまう部分も。近いかどうかはどうでもよくて、ぜんぶ一緒くたな海の水になって、ここからここって生きてるようなもん。その中のいくらかを共有できてればいいなっていう。普通に反抗しとこうってところもありますからね。
2023/01/03
川上
太陽と鉄でひたすら筋肉について語る三島さん(笑)。小説家の休暇では三島イズムに強烈な眠気を覚えてみたり、何の気ない話題では三島さんも普通の一人の人間なんだなって思ってみたり。あと後半はちょっとダレ気味です。 普段自分が感じているけど言語化出来ないことを、さらりと言語化してくれてたりするので、そうそうその気持、その考えって、かゆい所に手が届くこと多しです。
2014/12/30
hroko
「太陽と鉄」と「実感的スポーツ論」を読んでみたくて。自分のスポーツ・トレーニング体験を語る「実感的スポーツ論」は素直に共感できます。一方で、「太陽と鉄」は、何だか、その背景を知らない不勉強な私には、何を言いたいんだろう、と思う一方、素朴に精神と肉体、ってことなら、分からなくもないかと。その他の収録作では、「作家の休日」が面白かった。スターでもある、作家のそういう日常は、今なら、ツイッターみたいなもので、共有されているのでしょうけれど。読まれることを前提にした日記 ー Blog の過去形ですね。
2024/01/14
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