忠臣藏とは何か
忠臣藏とは何か / 感想・レビュー
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単なる蘊蓄本ではない。「忠臣蔵」は、権現信仰が基にある「曾我物語」を範にした、呪術戦争の側面もあったという卓見。ただ学術書ではないし、著者の筆致も臆断を隠そうとしない長閑な調子だが、そのぶん「作家の勘」のようなものは強調される。寧ろ説得的である。殊に、赤穂浪士に依る祭祀的な討ち入りがなければ、浅野内匠頭は吉良上野介のみならず徳川家や江戸を呪う平将門のような怨霊になったのではないか、という指摘には唸った。当時江戸は、都市として漸く機能し始めた頃だ。吉良と四十六士は、言うなれば都市の供犠として死んだのである。
2013/08/24
ge_ha
へぇー、とは思ったけど、忠臣蔵人気の起源に興味が無ければ、へぇー、以上のモノは無いかも。ただ少なくても読んで、へぇー、以下のことはない。
2012/10/31
お笑いループシュート
数年前に清水義範の「猿蟹合戦とは何か」を読んで、元ネタが知りたくなったのがきっかけ。 著者の忠臣蔵における御霊信仰とカーニヴァルの主張には、「当たらずとも遠からず」が正直な感想。
2023/12/21
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