死霊 7章
死霊 7章 / 感想・レビュー
猫丸
第七章。前章までと文体が変化している。初期大江健三郎のような長い形容を積み重ねる表現が増えた。さて、黙狂とされた矢場徹吾がついに語り始める。のはいいが、語るわ語るわ延々100ページ以上を一人で語り続ける。歴史上のすべての死者が集まる無限大にして無限小な亡霊宇宙で、誤謬の歴史の初源へ遡行し、私とは何か、あるいは何が私かを思索する。満たされぬ魂は自己ならぬ自己を求める、というワケのわからぬ思想が提示されるのだが、こうなるとちょっと手に負えない。物語的には、首も矢場も三輪の異母兄弟であると明かされたのが進展。
2018/10/22
りんご
カラマーゾフの大審問官を意識したものなのか・・・
2021/12/26
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