朝、起きて、君には言うことが何もないなら
朝、起きて、君には言うことが何もないなら / 感想・レビュー
ちぇけら
理屈じゃないのと君は言った。僕はだまって(怒ってなんかないよ)コーヒーにうつる僕を見ていた(ただ混乱しているだけさ)(すこしひとりにしておくれ)。冬ならば、命の尽きた星のように、そらを流れてゆけるのに。ねえ、永遠にうつくしい君が嫌いだよ。すこしずつ老いていく僕を、愛してるなんて嘘だろう(嘘だと言ってくれないか)。君のうなじや、乳房や、膝の裏は、綻びもせず、散りもしないのに、僕はあふれたなみだのぶんだけ枯れてゆくよ。多くは望まない、暖かい部屋で、「おはよう」と僕に微笑んでくれる君が。僕はやっぱり**なんだ。
2020/03/21
王天上
彼の第一詩集といっていいのでは?デビュー作も詩的だったが、さらに色濃いポエジーが漲っている。絶版になっているし、本人的にはもうこういう作品を発表する気はないのかもしれない。残念だ。何度も読み直す一冊になるだろう。
2013/04/06
ケレット
僕は日がな一日、一人この本を読んでたんだ。きれいでかっこいい女の人の写真がいっぱいあって、あとはよくわからない文章がついててさ、それを眺めてると今日はなんだかいい感じの日だなあと思ったんだ。僕はこんな文章をずっと読みたいと思ってたし、書きたいと夢見ていた。そんな夢を見ていた。
2021/12/19
午後
とっても80年代的。
2018/10/27
ヨコツ
男にとって理想の女性と言ったら、良識があって清楚で男を立てる大和撫子…、なんていうのは壮大なまやかしに他ならなくて、男が身を滅ぼすほど入れ揚げるのは魔性の女と古来から決定づけられている。わがままで理不尽で己以外の何者にも縛られないかの女たちこそ、僕らに取り憑いてやまない魔のものなのだ。僕は詩を理解しがたい高尚な文学なんじゃないかと敬して遠ざけていたのだけれど、これが詩なのだとしたら思ったよりもずっと好きかもしれない。
2015/01/13
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