懐かしい年への手紙
懐かしい年への手紙 / 感想・レビュー
wadaya
心底大切な一冊。この小説に憧れて、こういう小説が書きたくて生きてきた。父の転勤に次ぐ転勤で田舎から上京し、故郷を見失って根無し草のような若き日の僕に「本拠地と魂」の問題に応えてくれた小説。この作品の後「燃え上がる緑の木」「静かな生活」と続くけれど、僕の中ではこの小説こそが大江健三郎。20年ぶりに読み返して、その気持ちは変わらない。過去の自分に宛てた手紙のようで、未来への手紙のようでもある。感想を書こうとして胸が一杯になってしまった。大江文学は「希望」である。僕をどん底から救い出してくれる魔法の言葉なのだ。
2018/07/11
モリータ
◆単行本(本書)1987年講談社刊。◆2023/9/9、阪神戦の帰りに寄った阪神百貨店の古本市で拾い、既読本棚に移す。
たけし
テーマが大きくて、中々感想もまとまらない。他の感想を参照しようとするも、共感できるものが少ない。この「懐かしい年への手紙」に言及している大江氏の他の作品を読んで、これを読もうと思ったのだけど、とりあえず、書けることを…文書は比較的読みやすいが、意味は取りにくい。ここはこういう事を書いていると把握しようとする作業は大変だった。情報過多。最近ネットを見慣れている自分には辛かった。感動しそうで出来なかったのが残念。いつかまた読もう。
2019/07/15
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