本格ミステリー宣言
本格ミステリー宣言 / 感想・レビュー
Tanaka9999
1989年発行、講談社の単行本。ミステリー論。この前後はミステリー論がある。一応「本格ミステリー」が優れているという意味はない、というようなことを言っているが、「本格」という単語自身が「優れているもの」といった意味があるからなぁ、と思ってしまう。(まぁ、「本格」とつけたのは本人ではないだろうから、仕方がないかもしれないが)。まぁ、どうしても定義があいまいになるから、あいまいな論になっているような気がするのは仕方がないところだろうか。
2023/06/24
Mie
謎はどの本にも割とあるものだし、ミステリーとか本格ミステリーとかの分けは後にできたものである、というところには確かに、と納得。こういう文学上の分類の議論ってどうなっているのだろうか… エッセイやら評論やらインタビューが一冊にまとまっているのもなかなか読みやすかった。
2021/08/18
ちぇん、
新本格作家が「人間が描けていない」問題で批判に晒されていた(らしい)当時を物語るような御大の自己防衛心が垣間見える文章・語調。やや痛々しく若干微笑ましい。論ずるにあたり「本格ミステリー」を定義する必要があるがやはり難しく対談や座談会で有効な議論をするのは困難。それよりも『切り裂きジャック・百年の孤独』『漱石と倫敦ミイラ殺人事件』など名作に関するエッセイやインタビューの方が興味深く読めた。警視庁組織図・任務・庁舎、死体現象の付録は面白い。手軽にインターネットで調べることのできない時代の後進に対する餞か。
2020/08/06
二分五厘
1993.5.16
ときのき
座談会に参加した新本格の作家たちも皆若くて、熱気がある。”これから”感が溢れている。特に歌野晶午の幾つかのコメントは、そのあとの展開を納得させるもので今読むと興味深かった。
2021/01/12
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