鬼の宇宙誌
鬼の宇宙誌 / 感想・レビュー
霹靂火 雷公
「宇宙誌」という仰々しいタイトルではあるが、文体は妖怪好きの子供がそのまま大きくなって文を書いている感覚。妖怪は「境界」に出現するモノなので、小宇宙と大宇宙、鍛冶・大工・細工師と平地・農民、未婚と既婚など様々な境界を扱う姿勢が「宇宙誌」の名に相応しい。四鬼や鈴鹿の女鬼に「錬金術」を当て嵌める辺りが世紀末然とした発想だが、それもご愛嬌。『化物婚姻図』が真珠庵本のパロディというのは、原本を見ないと判らない指摘です。軽妙な語り口で、何とも愉しく読める良著です。
2011/11/26
岡部淳太郎
かなり好きな本。これで民俗学の面白さを知った
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