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今夜、すべてのバーで

今夜、すべてのバーで

今夜、すべてのバーで

作家
中島らも
出版社
講談社
発売日
1991-03-01
ISBN
9784062052597
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今夜、すべてのバーで / 感想・レビュー

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らぱん

面白かった。久しぶりの再読で何度も読んだ記憶はないのだが、多くのシーンを映像として覚えている自分にまずは驚いた。依存をテーマにしながら娯楽小説の方向に舵を切り、主人公小島は、自らを含む登場人物を戯画的に描き笑いを誘う。異彩を放つのは天童寺不二雄で、小島の追想と夢にしか出てこないにも係わらず強烈な存在感を持ち、小島の鏡像としての彼は正統な無頼として早逝する運命にある。小島の34歳には"Don't Trust Over Thirty"の世代が、30歳を超えて生きている含羞がありつつ、笑いの中で生を肯定する。↓

2019/10/01

とも

★★★★アル中の物語。途中までは、アル中がどういったものかということを説明するためにも面白おかしく茶化しながら、最後はその悲惨さを伝えるためにきっちりと締めてあるのは本人の体験上の話しでもあるからであろう為か、きっちりと締めてある。とはいえ、個人的には らもらしく破天荒に笑いで終わらせて欲しかった。 あと浮気に対する笑えた一行「家族とセックスするなんちゅう変態みたいなことができるかいな」。

2014/10/11

nonpono

推理小説が書けなくて昼から飲み始めて倒れた作家が入院。入院前に乾杯、粋だね。酒を抜けば湧き上がる食欲。シラフな目で見つめる個性豊かな入院患者たち。アル中のリアル。アル中の頭が粉砕する夢。一緒に脳 散らかった脳を探してあげる人々。アルコールならヘアトニックまで嗜む依存症のみなさま。ブラックアウト、連続飲酒に対する蘊蓄、飲み続ける人々。おかしさもかなしみも混ざり合う人間模様。そして読みながら考えざるをいえない己との酒のあり方。正常と異常の境回線の危うさ。まさに名作。特にお酒をある愛するあなたへ贈ります。乾杯!

2024/05/26

キジネコ

関西人がカント弁喋る様な語調があって ソレがゴッツ面白い。他言語圏?の人には その感触が理解し難いかも知らん。それと台詞回しも昔の日活や東映の青春映画みたいで かい(可愛)らしい。強かな らも仙人「酒呑み、アル中」をオカズにして「人間の依存形質と全方位哲学」を展開し、呑んだくれの戯言のフリしてイチビリ乍、油断さしといて 深く重い人間洞察を挟み込む~ 小刻みな「笑い」のジャブをド~ンと一気に心底心理に繋ぐて難しい作業を軽々とこなして見せた。芸としてオチまで軽妙洒脱の抜かりなさ、瞳の奥の飄々に拍手やねえ。

2014/02/24

サトシ@朝練ファイト

アル中の要因は有り余る時間で、国の保障が行き届いていることがかえって皮肉な結果をもたらしていると言ってます。ただ、日本の場合はアルコール依存症よりもギャンブル依存症の方が2、3倍多いと聞いてます。

2017/11/19

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