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崩れ

崩れ

崩れ

作家
幸田文
出版社
講談社
発売日
1991-10-01
ISBN
9784062055604
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崩れ / 感想・レビュー

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メタボン

☆☆☆☆☆ 昭和51〜52年に婦人の友に連載された「崩れ」見てある記を著者の死後単行本化したもの。72歳で精力的に日本各地の崩壊現場を訪ね、見たものを幸田文の感性で綴った書であり、エッセイでもノンフィクションでも小説でもない特異な本だった。安倍川の大谷崩れ、富士山の大沢崩れ、立山の鳶山と常願寺川、小谷の稗田山、桜島、そして有珠山。昭和52年の有珠山噴火の際の避難秘話は興味深かった。見たもの感じたものをこれだけの文章で活写できる幸田文はやはりただ者ではない。

2024/09/14

mami

「崩れ」とは山体崩壊のこと。72歳の幸田文さんは各地の崩れを見て回り、そこに暮らしてきた方たちを思いなおかつ自身の老いと崩れを重ねる。しかし上品な方とは文章からもにじみ出るのだなぁと感嘆。

2021/11/26

いつかはビーエム

昨年立山の鳶崩れ、今年小谷村の稗田山大崩落後を見る機会があり自然の猛威を目の当たりにした。若い頃には気にも止めなかった事が還暦を過ぎて何故か気になり出す❗自然災害は避けられないが、自然観察を通して自身への啓蒙や気付きが生まれる事に期待したいのだ。 幸田文が晩年に日本各地の崩壊現場、火山現場を訪れ人々に何を語ったのだろう。そんな事を思いながら読み終えました。

2019/06/04

amanon

本当は自分達と無縁ではないはずなのに、つい見過ごしてしまいがちな「崩れ」という現象。古希を過ぎて、様々な地方における自ら崩れと呼ぶ自然災害の現場へと果敢に足を踏み入れる著者。ただの野次馬と言えばそれまでかもしれないが、その想像を絶するような光景に向ける眼差しと、機微に富んだその描写からは、著者の深い思いが伝わって来る。報道からだけでは伝わってこない、自然の威力の凄まじさ、現場の人々の姿は、言葉という一見回り道と思えるような手段を通してこそリアルに伝わって来るものがあるのでは?という気にさせられた。

2018/04/23

at@n

国土の脆弱さを書いているのだろうが、専門的なことはよくわからないけど見たまま感じたままにというのがどうも腑に落ちない。公務員のガイド役を引き連れて被災地を「みてある記」というのもあまり現代では受け入れられない感覚ではないかと思う。被災者に配慮して書いたということは本文中にもあり、青木玉の後書きでも言葉を尽くされているが。

2022/06/23

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