彫刻家の娘
彫刻家の娘 / 感想・レビュー
榊原 香織
ムーミン作者の自伝的小説。 子供時代。両親とも芸術家。 空想好きはこの頃から。 彫刻家のお父さん(ムーミンパパのモデルでしょうね)が可愛がってた猿の話が面白い。他の作品にも出てくる。 猿飼うのは大変だね
2022/04/18
霜月
トーベ・ヤンソンさんの子供時代の自伝的小説。作品全体が瑞々しい感性に満ち溢れていて感動してしまう。繊細で愛情深い家族、冒険好きで辛抱強く困難さえ楽しむような彼らが次第にムーミン谷の住民たちと重なって行く。なんて愛すべき慈しむべき存在なのだろう。様々な縛りから解き放たれていて、豊かな生活とはこういうことをいうのだろうな。
2015/01/11
みけ
ムーミンの作者トーベ・ヤンソンさんの自伝的小説。1914年ヘルシンキで生まれたヤンソンさんを取り巻く世界は、大きな嵐、漂着した密輸酒、暗闇にポッカリと光輝くスケートリンクや、子供2人で漕ぎ出す筏などお伽話の様だった。ヤンソンさんから見える世界は、ツリーに飾られているガラス玉には優しさが詰まっていて、カナリアはイジワルで、世界が滅亡に向かってもママと2人雪で閉ざされた家は安全で。私の中にも自分の世界はあったけど、ヤンソンさんの世界は比べ物にならないくらい鮮やかで豊か。小説を通して遊びに行けるのは幸せだ。
2018/10/25
ぱせり
(再読)ママのチュールのペチコートに隠れて外界を眺める場面があるけれど、この物語全体が、チュールのペチコートの中の世界なのだ。外の世界は、ぼんやりとしている。それでいい。いつか、外に出ていく彼女は、このペチコートの下で、安心して、思うさま自分の世界を育て上げた。
2013/08/16
あい
トーベヤンソンの自伝を含んだ物語。少女だった彼女の愛した世界が、その後のムーミンシリーズに色濃く映しだされているのがよくわかります。彼女のパパとママはまさにムーミンパパとムーミンママなのですね。トーベ自身は、みんなに少しずつ似ている気がします。お気に入りは『入り江』。文章のなかで、現実と空想が混じり合っています。
2018/06/12
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