プワゾン

星落秋風五丈原

27歳の「冷たい女」から、40代前半の「ピアノ・コンチェルト」の女まで"女の恋は年齢によってどう変わるのか"をヒロインの目を通して追求した恋愛小説集。"女のダンディズム"には常に"やせ我慢"がつきまとう。この我慢がこらえきれなくなったとき、女は幻想の恋の中へ踏み込んでしまうのでしょうか。 「海辺の貴婦人」

1995/12/11

ＭＩＫＥＴＯＭ

２４０ページで１０編。かなり短めの作品集。壊れた女、病んだ女、はたまた強かな女などの話。モラルでもなく論理でもなく、かと言って感情まかせでもない。極端な言い方をすれば女の業とでも言おうか。男にはなんとも理解し難い女独特の感情なんだろうか。それにしても、壊れた女、病んだ女ってのを女流作家が書くと（こういうの大好き）、妙に生々しくリアリティがある。こういうのを男が書くと、女の事なんて何も知らないくせにとか言われそうな気がする（逆もまた真なり）。でもま、それほど大げさなもんじゃない。まあまあな一冊。

2020/11/28

ゆりっぺ

１９９８年１月２４日