ステップファザー・ステップ
ステップファザー・ステップ / 感想・レビュー
nyanco
空から落ちてきた泥棒をお父さんにしちゃう双子の兄弟。泥棒の片棒を担ぐ弁護士のオヤジさんに、偽札作りの名人・画聖…とあり得ない荒唐無稽な設定もご愛敬。ま、難を言えば理由は何であれ、どんな悪人からだとしても泥棒って良くないと思うんだけど…。特に第一話の遺産を受けついた女性って悪人じゃないしね…。ま、そんな事情は別にして…お茶目な双子に戸惑っていた泥棒が、だんだんと心を通わせていく過程の心理描写はやっぱり巧い。子供向きでありながら、大人にも充分楽しめるって言うのは、やはり作家の実力なのでしょうね。
2010/09/02
ばりぼー
20年ぶりの再読。落雷で屋根から落ちた泥棒が双子に助けられ、両親が揃って愛人を作って家を出て行って不在なため、弱みを握られ疑似父親を演じるハメに。双子は見事な分割話法で話すし、授業参観で入れ替わっても笑って許してもらえるし、同時に別々の誘拐犯にさらわれるし、荒唐無稽と紙一重のとんでもない設定と展開ですが、軽妙な筆致であきずにさらっと読ませます。最近の過剰なまでに書き込んだ重厚長大な雰囲気とはずいぶん違いますが、肩肘を張らないコミカルな味わいも悪くはありません。たまにはこんなものも、また書いて下さい。
2014/10/14
テンちゃん
2億円の遺産。双子の兄弟。プロの泥棒。侵入!意外な結末!なかなかの作品。☆(⊙.⊙)4.2
2015/10/15
itica
ドジって怪我をした泥棒と、それを助けた双子の中学生の擬似親子生活。随所で名推理を働かせるお父さん(泥棒)と双子のやり取りが楽しかったり切なかったり。擬似父どころか擬似祖父や達人の仲間まで出現しての大活躍は面白かったな。まともな社会生活を営んでいるはずの親と、裏稼業の反社会者の擬似父の逆転した姿がなんとも皮肉っぽいけど、ミステリー且つハートフルな物語だった。
2014/04/14
siro
これまで読んだ宮部さんの本と雰囲気が違いますね。可愛らしい双子となんとも憎めないキャラの泥棒の疑似家族。3人のやり取りが微笑ましい。こんな作風も好きです。良く考えたら酷い話。双子の両親の気が知れないけど、このまま3人で仲良く暮らして行ければいいのになんて思っちゃう。続編は出来ないのかしら?読んでみたいけど別れの話は読みたくないなぁ。だってお父さん泣いちゃうよ。絶対(笑)
2013/05/31
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